2023.11.27(Mon)

インド人に騙されてウンザリだったけど…寡黙な運転手に感激→5倍の代金支払い、旅行者が見た神聖なシーン

インド人の人生観がSNS上で大きな注目を集めている。

きっかけになったのは漫画家の武村沙紀さん（@nora_sakiT）が投稿した漫画「インドで最も美しかったものの話」。

インド旅行中、4日中にわたって同じ運転手のリキシャー（簡易タクシー）を利用した武村さん。インド人としては珍しいほど控えめで寡黙な運転手の性格に感激し、最終日に相場のおよそ5倍の代金を支払ったそうだ。「喜んでくれるかな」という期待に反しリアクションは薄め。赤面しつつその場を立ち去ろうとした武村さんだったが、あらためて振り向いて見ると、運転手は受け取った代金を額にあて、天を仰いで祈るようなポーズをしていたのだという。

日本では失われかけている「人は大きな輪の中で生きている」という感覚や神への感謝。それを目の当たりにし感動で涙がとまらなかったという武村さんのエピソードに、SNSユーザー達からは

「もしインドに行くならこの方のリキシャーに乗りたいと心から想いました」
「意外な展開なのにじんわりと心が暖かくなりました　武村さんの感受性が素晴らしいのではないかな…と思ったり　私では果たしてそこまで考えられたかな…感じ悪〜で終わらせてしまってそう　反省」
「凄い良い話。最近仕事がマンネリ化してましたけどお金稼ぐという事は他にも頑張ってくれた人のお金を貰ってるんだと再認識しました。明日からも頑張ろう！！」
「こんばんは。まさに今インドで同じような境遇で信じたり、騙されたりして辟易している時分にこのお話、暖かいスープのように染み渡りました。もう少しだけ街に出歩いてみようと思います。」
「いいお話でした。ページの中心とコマをはみ出して立つ姿がとても神々しく素敵です。『お金は天下のまわりもの。その人の神に感謝する。』とても尊いです。生き方やお金の参考になります。ありがとうございます。」

など数々の驚きの声、感動の声が寄せられている。

漫画家に聞いた

武村さんに話を聞いた。

ーーこのリキシャーの男性に会うまでインド人への印象は？

武村：それまでの滞在時間はたった2週間でしたが、インドで出会う方々は親切な人もそうでない人も押しが強く、グイグイくる感じでした。エネルギュシュでとにかく自分の主張がしっかりしていました。

ーー男性の最初の印象は？

武村：最初に目に飛び込んだのが男性の横にあるボロめのサイクルリキシャーだったほどに、男性はひっそりとしていて、控えめでした。最後まで初印象通りの方でした。

ーー天を仰ぐ男性を見たシーンをあらためて。

武村：あっ！といった感じです。とにかく予想外で驚きました。目に飛び込んできた光景から考えるというよりパッと「神に感謝してる」とわかった感じで。途端に涙がわっと出ました。

ーー神に感謝する、大きな輪の中で生きているという思考はインド人全般に共通するものでしょうか？

武村：たった3週間しかインドにいなかったので、言えることは私の感じた事でしかありません。詐欺師にお金を取られて取り返した時にその詐欺師も「神が私を見ている」と言っていて「神が見ているのに人を騙すの！？」と混乱しましたが、それは置いといて（笑）。彼らにとって生活と宗教はかなり密接しており、神という存在は大きいように感じました。

ーー反響への感想を。

武村：本当に予想していなかったほど沢山の方に読んでいただけました。「泣いた」というご感想も貰って、私のあの時感じた感覚をそのまま漫画に置けたのかなと、とても嬉しかったです。リキシャーの彼のような人や、記憶に残る人に自分も会ったことがあるというコメントには、良い出会いが世界中で起こっているのだとワクワクしました。

◇　◇

よくインド人と日本人の感覚は違いが大きいと言われるが、だからこそ武村さんのエピソードのように学べることは多いのかもしれない。読者のみなさんは自身の人生、存在をどのように捉えているだろうか。

今回の話題を提供してくれた武村さんはSNSや漫画配信サイトで数々の漫画を発表。