トイレットペーパー冷蔵庫に入れると防臭になる? 海外で話題のライフハック、真偽は? 製紙メーカーに聞いた

門倉 早希 門倉 早希

海外のSNSを中心に、あるライフハックが流行しているようです。

それは冷蔵庫のなかにトイレットペーパーを入れるというもの。話題になった動画は英語で、トイレットペーパーの芯を抜いて庫内に入れることで、悪臭を防止してくれると謳っています。取り換えの目安は3~4週間、このライフハックはホテルでも使われているとも伝えています。

投稿しているのは、ライフハックや掃除のコツなどを発信する、14000人ものフォロワーを抱えるアカウント。ほかにも類似のライフハックを調べてみたところ、消臭のほか、トイレットペーパーの吸湿性からカビ予防にもなると伝えている投稿も見受けられました。

これらのライフハックは本当に効果があるのでしょうか。また、用途以外の使用方法で危険性はないのでしょうか。トイレットペーパーやティシューペーパーの「エリエール」シリーズで広く知られる、大王製紙株式会社に見解を聞きました。

危険性は?メーカーの見解とは

ーートイレットペーパーには消臭、防カビの効果がある?

「一般的に、紙は『多孔質(たこうしつ)』(細かな空洞がたくさん作られる)の特性があります。多孔質というと聞き慣れない言葉ではありますが、身の回りにあるものですと、スポンジや木炭なども多孔質な物品です。多孔質な物品は空隙に悪臭を捉える作用があることから、消臭剤として活用されており、特に炭を消臭剤として利用されることは一般的かと思います。

トイレットペーパーも多孔質な特性があるため、本来の使用方法とは異なりますが、例えば消臭のために靴箱などにトイレットペーパーを置いているというご家庭もあるようです。

なおご参考に紹介すると、トイレットぺーパーの中には消臭機能を持たせたものがあり、当社の商品では「エリエール 消臭+(プラス)トイレットティシュー」が該当します。ただ、本商品はトイレットペーパーの芯に配合されたW消臭成分(柿タンニン&茶カテキン)が尿臭(アンモニア臭)と結びつくことで空間を消臭するという性質によるものですので、あくまでトイレ空間において効果を発揮するものになります」

ーーこのライフハックで考えられる危険性やトラブルがあれば

「トイレットペーパーには香り付きのものも多く展開されており、トイレットペーパーの香りが冷蔵庫内の食材や飲料に移ってしまう可能性があります。また、冷蔵庫内は結露や食材などの水分により、トイレットペーパーが濡れてしまい、カビなどが生えるリスクがあります。加えて、濡れてしまうと本来のトイレットペーパーとしてはご使用いただけなくなります」

ーーメーカーとして推奨できるか

「当社のトイレットペーパーはあくまでトイレ空間でご使用いただくことを前提として作っておりますため、本来の用途以外でのご使用は想定しておりません。トイレットペーパーには多孔質な特性があることは事実ですので、そういったことをご理解いただいた上で、お客様ご自身でご判断いただければと考えております」

ーートイレットペーパーを使ったライフハックで、正式に発表されているものなどあれば。

「大変恐縮ではございますが、トイレ空間での使用以外に正式に発表しているものはございません」

◇  ◇

家に必ずあるであろうトイレットペーパーで気軽にできるライフハックですが、濡れてカビが生える可能性などを考えると、冷蔵庫用の消臭剤などを使用した方が無難かもしれません。もし冷蔵庫に取り入れる際はくれぐれもトイレットペーパーの状態にご注意を。

エリエール公式サイト:https://www.elleair.jp/
エリエール 消臭+(プラス)トイレットティシュー:https://www.elleair.jp/elleair-toilet/shoushu-plus/

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