働く20~30代の7割強「子育てがしづらい社会」→ゆとりを持って子育てができる平均年収は「1000万円超」の声

まいどなニュース情報部 まいどなニュース情報部

株式会社ライボ(東京都渋谷区)の調査機関『Job総研』は、全国の20~30代の社会人男女454人を対象とした「2023年 少子化に関する意識調査」の結果を発表しました。調査によると、子育て1人に対して必要な最低限の年収の平均額は「855.2万円」、中央値が「600万円」でした。また、ゆとりを持って子育てができる年収額については、平均額「1037.6万円」、中央値が「900万円」となったそうです。

調査は、同社が運営する匿名相談サービス『JobQ Town(ジョブキュータウン)』の登録者を対象として、2023年10月にインターネットで実施されました。

調査によると、全体の71.8%が「将来子どもが欲しいと思う」(とても思う28.4%・思う22.0%・どちらかといえば思う21.4%)と回答。さらに、87.9%の人が「共働きはした方がいいと思う」(とても思う37.9%・思う22.7%・どちらかといえば思う27.3%)と回答しています。

続けて、「共働きはした方がいい」と答えた399人にその理由を複数回答可で聞いたところ、「経済的なリスクが分散できる」(76.4%)が最も多く、次いで「世帯収入が増える」(67.4%)、「将来的に貯蓄の余裕が出る」(65.7%)といった回答が上位に挙げられました。また、「共働きを想定する場合にパートナーに求める理想の年収額」を答えてもらったところ、平均額は「646.1万円」、中央値が「560万円」、最頻値が「600万円」となっています。

次に、全回答者に対して、「子どもを持つことへの経済的な不安の有無」を聞いたところ、87.0%の人が「ある」(とてもある38.4%・ある27.5%・どちらかといえばある21.1%)と回答。「経済的な不安がある」と答えた395人にその理由を複数回答で答えてもらったところ、「教育費が十分に確保できない」(52.4%)、「他の支出や返済で精一杯」(45.8%)、「保育料や食費の高騰」(43.8%)といった回答が上位に並びました。

では、子育てにはどのくらいの年収が必要なのでしょうか。まず、全回答者に「現在の自身の年収」を教えてもらったところ、平均額は「471.0万円」、中央値が「450万円」、最頻値が「500万円」となりました。あわせて「子ども1人あたり年収がいくら増えれば子育てしやすいですか」と聞いたところ、平均額は「+391.4万円」、中央値が「+300万円」、最頻値が「+200万円」となりました。

そこで、「子育て1人に対して必要な最低限の年収額」を聞いたところ、平均額は「855.2万円」、中央値が「600万円」、最頻値が「600万円」となりました。さらに、「ゆとりを持って子育てができる年収額」については、平均額が「1037.6万円」、中央値が「900万円」、最頻値が「1000万円」となり、実際の平均年収額よりも理想額が「566.6万円」上回る結果となりました。

なお、76.7%の人が「子育てがしやすい社会とは感じない」(全く感じない30.8%・感じない23.2%・どちらかといえば感じない22.7%)と回答していることを受けて、「何が変われば子育てしやすい環境になると思いますか」と複数回答可で答えてもらったところ、「賃金の増加」(65.6%)が最多となったほか、「景気(不況・物価高)の回復」(64.3%)、「金銭的な支援制度の充実」(51.8%)など、経済的な面の改善を求める声が顕著に見られたそうです。

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調査を実施した同社は、「子育てがしづらい社会という印象がついていることを踏まえると、少子化鈍化の鍵を握る若者へのサポートが、結婚や子を持つことへの不安を解消するきっかけになることが推測できます」と述べています。

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