とろ~り溶けるバターがおいしい季節。使いかけのバターはくしゃくしゃの銀紙に強引に包まれ、箱入りのまま冷蔵庫で保管されている方も少なくないのでは? メーカーに保存方法について取材しました。
一般的にバターといえば、ほとんどのメーカーが銀紙包装→紙の箱という形状で販売。マーガリンならケースに入っていて、薄い紙(硫酸紙)で表面をカバーすれば良いのですが、バターの保存方法は人それぞれのようです。
銀紙で適当に包み直して冷蔵庫に戻すパターンで、破れかけの銀紙の中には表面が変色したいびつな形のバターができるという人もいれば、「銀紙をはがしてバターケースに入れる」「バターケースに銀紙に包んだまま入れてる」「切ってジップロックに入れている」「銀紙ごと切っている」「割高だけど小分けの買う」と、SNSではちょっとした“バター保存論争”が起こるほど。
はたして、バターの保存法に正解はあるのでしょうか。
バター保存で一番大事なことは?
1925年から国内でバターの製造販売をし続けている[雪印メグミルク]の「雪印北海道バター」商品担当者さんにお話を聞きました。
ーーずばり「銀紙のまま箱に入れて冷蔵庫保存」でいいのでしょうか?
「購入時の銀紙に包み、箱に戻して冷蔵保存(10度以下)で大丈夫です。ただし、銀紙をバターにしっかりと密着させて下さい!バターをおいしく最後まで楽しむポイントは「酸化」を防ぐこと。できる限り空気に触れないように保存することが重要です」
ーー空気に触れると味が落ちるのですか? 変色してしまった部分は食べても問題ありませんか?
「多少黄色みが増した程度であれば品質に問題はありませんが、長期間空気に触れてしまうと水分が蒸発し、乳脂肪が酸化することで風味は劣化してしまいます」
ーー冷蔵庫で保存する際、気をつけることは?
「バターには、他の食材のニオイを吸収しやすいという特徴があります。そのため“ニオイ移り”を防ぐため、魚や玉ねぎ、ニンニクなどニオイの強い食材と一緒に置かないように注意してください」
今も昔もこれからもバターは「銀紙」
ーーそもそもバターはなぜ銀紙に包まれているのですか?
「バターは温度や空気、そして光にもとても敏感です。銀紙は光と空気を遮断して、バターの酸化を防ぐために必要なものなんです。今のところ梱包材の変更予定はありません」
ーータッパー、チャック付きポリ袋、食品用ラップフィルム…、おすすめの保存方法は?
「銀紙かラップフィルムでしっかりとできるだけ隙間を作らずに密着させ、購入時の箱にしまうか、密閉容器での保存がオススメです。ちなみに冷凍保存も可能です」
ーーバターは冷凍もできるんですね!
「はい。冷蔵保存よりも日持ちはしますし便利ですが、おいしさの点では冷蔵保存を推奨しています。10gなど料理で使いやすいように小分けしてラップフィルムに包み、冷凍しておくと便利です。解凍後は必ず使い切り、再冷凍はやめて下さい」
「味はバターで決まります。」をコンセプトに1925年(大正14年)に発売した「雪印北海道バター」は、もうすぐ100歳(!)だそう。最後に商品担当さんから教えてもらった、あまり知られていない「雪印北海道バター」の豆知識を1つ。
「雪印北海道バター」(200g・参考小売価格497円)の銀紙には、よく見ると罫線が引かれていて、その1目盛りの幅に切ると約10gとなるそう。なるほど!冷凍時や料理に使う時、覚えておくと便利です。
とにもかくにも、バターは「空気に触れないこと」が保存のコツ。これでクシャクシャ銀紙に包まれたバターとはオサラバ?最後までおいしく食べたいですよね。
■雪印メグミルク https://www.meg-snow.com
■バターの基礎知識
https://www.meg-snow.com/hokkaido-butter/knowledge/0001.html
■ミルク便利帳
「バターが黄色くなるのはなぜ?」https://www.meg-snow.com/customer/milkbook/content05.html
「バターやチーズは冷凍保存できる」https://www.meg-snow.com/customer/milkbook/content11.html
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・さとうまりこ)