野生動物ではない猫にとって、「外」での暮らしは過酷です。すべての猫はお家の中で甘やかされて暮らしてほしい。そんな気持ちになる保護猫のビフォーアフター写真が話題になりました。
「保護して1ヶ月半。before→after」
そんなつぶやきと共にX(旧:Twitter)に投稿されたのは、 キジ白つくしちゃんときなこ(@Neko2Obasan)さんの愛猫、きなこくんのビフォーアフター写真。今年の9月、飼い主さんに保護されたきなこくん。頬が痩け、警戒の目つきだったその1ヶ月半後、毛並みもお顔もふっくらと健康そうに変化しました。
まさに「幸せ太り」
「うわあ!だいぶふっくらしましたねえ。健康的でとっても可愛い」
「まさしく幸せ太り」
「外の厳しさと人間(飼い主様)の優しさが分かりますね」
「まんまる!飼い猫顔だ(笑)」
4万7千以上のいいねと感動の声が殺到したのは、推定2~3歳になる茶白猫の男の子、きなこくん。今年の6月頃、飼い主さん宅のベランダに現れるようになったそうです。
不健康で悲惨な姿の野良猫が多いなか、きなこくんは比較的健康に見えたそうです。しかし、夜ごとベランダに現れるその表情が寂しそうだったこと。そして、通りがかりの人間から空き缶やゴミを投げつけられている姿を何度か目撃していたことから、保護を決めたそうです。
そんなきなこくんの幸せな変化について、飼い主さんにお話を聞きました。
お迎え初日から撫でると喜んでくれました
ーー1ヶ月半ですっかり飼い猫のお顔ですね。
「いまだに日中は暗くて狭い場所に隠れることが多いのですが、保護直後はひどかった夜鳴きも、今はだいぶ収まりました。お腹が空くと鳴いて飼い主にスリスリしたり、自己主張も出来るようになりました」
ーー夜鳴き、大変でしたね…。
「最初の2週間は近所からクレームが来るのではと心配したほどでした。ですが、飼い主や先住猫のつくしを威嚇したり引っ掻くことは一度もなく、手から餌も食べてくれ、撫でると喜んでくれました。外猫だった時は臆病ではありましたが、元は飼い猫だったのかもしれません…」
ーー先住猫のつくしくんとはすぐ仲良くなれたのですか?
「外猫時代からつくしのことが大好きだったようで、窓越しに鼻で挨拶をしたり、触れたそうにしていました。つくしの方も縄張り意識が薄いのか、お迎え当日から威嚇も警戒もしませんでした。鳴き声には少し驚いていましたが、きなこが心配なのか、鼻で挨拶しようとしたり、初日から2匹の関係は友好でした。ただ、きなこがつくしを大好き過ぎて後追いをよくしているので、つくしは少し鬱陶しいみたいです(笑)」
◇ ◇
きなこくんが愛してやまない先住猫のつくしくんも元保護猫。飼い主さんは2匹の元保護猫たちの様子を通して、「保護猫」に興味を持ってくれる人が少しでも増えたら、と願っているそうです。
「私が住む地域の自治体は殺処分がないのですが、外猫時代のきなこは去勢されてなかったため、他の市町村であれば殺処分対象だったことを思うと、胸が痛みます。避妊や去勢をしてない猫にむやみに餌を与えるのも問題ですし、餌を与えるなら保護する覚悟が必要だと思います。全ての猫を保護することは出来ませんが、うちの飼い猫2匹の姿を通して、外の過酷な環境で生きている猫たちが1匹でも多く保護され、安全なお家で過ごせるようになればと思います」(キジ白つくしちゃんときなこ さん)