物流業界の人手不足が懸念されるなか、荷物の再配達を減らすために「置き配」が注目されています。株式会社LIFULL(東京都千代田区)が運営する不動産・住宅情報サイト『LIFULL HOME'S』が、「”宅配ボックスあり物件”の現在のニーズや賃料差異」について調査したところ、賃貸マンション/アパートの「宅配ボックスあり物件」の割合は2023年3月以降、増加傾向にあることが分かりました。また、「宅配ボックスあり物件」の家賃相場は、設備条件なしの家賃相場よりも月額「1万3000円」上昇することも分かったそうです。
調査は2022年10月~2023年9月の期間に、同サイトに掲載されていた一都三県(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)の居住用賃貸物件のうち、築40年以内、専有面積15平米以上40平米未満の物件を対象に実施されました。なお、家賃相場は月額賃料の中央値としています。
「置き配」とは、宅配の利用時にあらかじめ指定した場所(玄関前、置き配バッグ、宅配ボックス、車庫、物置など)に荷物を届けてもらうサービスのことをいいます。
そこで、「置き配」の利用時に使用する「”宅配ボックスあり”の物件割合」を月毎に調べたところ、2023年3月の39.3%から緩やかに増加し、2023年9月には直近一年で最高となる41.1%となりました。
調査結果を踏まえて同サイトは、「コロナ禍におけるネット購入・非対面受け取りの需要増で爆発的に普及が進んだ宅配ボックスですが、企業の出社回帰も相まってか、今現在においても引き続き普及が進んでいるようです」とコメントしています。
同サイトが搭載している、物件探しの検索条件を「できれば/必須」で優先順位づけをして検索できる『できれば検索』という機能において、「宅配ボックスあり」という条件を「必須」と選択された割合を調査したところ、2023年6月の54.8%から大きく増加し、2023年9月では58.9%と6割近くが「必須」を選択をしていることが分かりました。
また、「設備条件なし物件」と「宅配ボックスあり物件」の「家賃相場」については、「設備条件なし物件」が「7万円」だったのに対して、「宅配ボックスあり物件」では「8万3000円」と月額で1万3000円、年間では15万6000円の差が出る結果となりました。
同サイトは、「今後実施される置き配のポイント還元や再配達を依頼する手間、配達時間に在宅していなければという心理的負荷を鑑みれば今後も”宅配ボックスあり物件”の人気は続くと思われます」とコメントしています。