カメムシ大量発生で、注文急増! 触らず臭わず、特許も取得…SNSで注目のアイデア商品

山陰中央新報社 山陰中央新報社

 全国各地でカメムシが大量発生する中、島根県出雲市の木材会社が開発したアイデア商品の注文が急増している。虫に触らず、臭いを出さずに駆除できる特許取得の商品で、大量発生が交流サイト(SNS)やメディアで取り上げられたこともあり、関西方面など各地から注文が舞い込む。同社担当者は予想外の反響に驚いている。

 商品は、浜村木材(出雲市佐田町反辺、浜村雅男社長)が発明したカメムシ捕獲器「ぱっくりん」(価格は3300円)。長さ90センチのプラスチック棒の先に専用の粘着シートを装着。取っ手のレバーを握るとシートが折りたたまれ、虫をつぶさずに捕獲し、触らずにシートごと捨てられる。

 カメムシは、強い刺激を受け、身の危険を感じると強烈な臭いを発するが、粘着シートを羽の側につけるので刺激は小さく、臭いを出しにくい。折りたためば、臭いごとカメムシを閉じ込めることもできる。同社によると、利用者から臭いが出たという苦情はこれまでにないという。

 同社の浜村拓志専務取締役(48)が、山間部の佐田町に嫁いで来た虫嫌いの妻が使えるようにと、8年かけて開発。2021年6月に完成し、特許も取得。同社の新事業として専用サイトを設け、ウェブを中心に販売している。

 21年の発売から計約500本が売れたが、このうち70本が今年9月末以降の1週間に集中。通常は1カ月に10本注文が入るかどうかだったが、カメムシの大量発生がSNSで多くつぶやかれたり、大手メディアが取り上げたりして急増した。個人や大手通販サイトで販売を手がける事業者の注文が相次ぎ、特に大阪府や兵庫県からの注文が多いという。

 伊丹市昆虫館(兵庫県伊丹市)によると、関西圏で大量発生しているのは羽が緑色のツヤアオカメムシで、今年は餌のスギやヒノキの実が多かったことが一因と考えられるという。猛暑との関連は不明。島根県も8月、斑点米カメムシ類の発生が過去10年間で最も多いとし、米への被害警戒を促す注意報を発表した。

 浜村専務は、ぱっくりんを通じて「少しでも快適な生活に役立てるとうれしい。田舎暮らしのハードルの一つが虫でもあるので、地元のIターン者たちにも使ってほしい」と話した。

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