帰ろうとすると遠くから微かな鳴き声が… 山沿いの水路からひょっこり現れた子猫が必死で足にしがみついてきた!

渡辺 陽 渡辺 陽

水路の中からひょっこり現れた子猫

チビちゃん(8歳・メス)は、山梨県在住のFさんと暮らしている。チビちゃんとFさんの物語は偶然の出会いから始まった。

2015年8月、Fさんは仕事のために車で1時間30分かかる山間の現場に行った。仕事が終わり、帰り支度をしている最中、遠くから微かな鳴き声が聞こえてきた。

「最初は気のせいかと思いましたが、その鳴き声は次第に近づいてくるように感じられました。自分の周りを探しましたが、何も見つけることはできませんでした」

しかし、なおも探し続けていると、山沿いにある水の流れていない水路の中からひょっこり現れたのがチビちゃんだった。チビちゃんはFさんを見つけると、必死に足にしがみつき、そのままFさんの方に上ってきた。「こんな人気のない場所でなぜ?」と思いつつ、Fさんは周囲に母猫やきょうだいがいないか探したが、何も見当たらなかったという。Fさんは「一緒に行くか?」とチビちゃんに問いかけた。

「こんな場所に1匹だけ残して帰ってしまったらこの子は死んでしまうと思うと、体が勝手に動いていました。翌日は大雨予報で、チビを放置するわけにはいかなかったのです」

チビちゃんとFさんは一緒に帰宅し、家族も歓迎してくれた。もしFさんがチビちゃんを残して帰ってしまったら、チビちゃんは生きることができなかっただろう。

家族の笑顔が増えた

最初、チビちゃんは新しい環境に不安そうに鳴いたりしていた。しかし、Fさんは段ボールハウスを作り、暖かい場所を提供し、ぬいぐるみのお友達を用意するなど、徐々に彼女を慣れさせた。すると、チビちゃんは次第に安心し、スヤスヤと眠るようになったという。

「慣れてくると、外に出て冒険し、家の中をよちよちと歩き回るようになりました。小さすぎて踏まないかいつも下ばかり気にして歩いていました(笑)」

チビちゃんは、甘えん坊で人が大好き。生まれて間もない頃からFさんの家族として共に生活しているため、彼女は自分も人間の一員だと思っているかもしれない。抱っこが大好きで、すぐにFさんに飛び乗ってくる。

また、チビちゃんは水が大好きで、洗面所やキッチン、トイレの蛇口から水を飲みたがる。

「朝の忙しい時間でも、ついつい彼女の要望を優先してしまうほどです」

チビちゃんは家族の中心的存在となった。

「みんなチビに会いたくて帰宅も早くなり、帰ると一緒に遊んでいます。家族の笑顔が増え、癒しとなってくれています」

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