駅の改札口には、普通より幅が広くなっている箇所があります。トランクなど大きな荷物を持っている時にも便利なのですが、実はあそこは…。
かなかな2y3mさん(@machico_c)は、X(旧Twitter)に投稿しました。
「車椅子で通れる幅の広い改札、たいてい出口に1つしかなくて、向かい側から来た人が次々と流れ込んでなかなか通過できず、ずっと待ってることが多いんだけど、向かいから来た1人の女性が私に気づいて、『ここ!守っときますんで!通ってください!』って人の流れを遮って通してくれた。すごく嬉しかった」
「この女性は「守っときますんで!」と確かに言った。知っていたんだと思う。車椅子ユーザーは、その1つしかない幅広改札を誰かに『守って』もらわなければスムーズに通過できないことを。『守る』って何から?その改札の意味を知らない人から?違う。知らないことは悪いわけじゃない。わざわざ知っていなければ、マイノリティを困らせてしまうことになる、その構造が悪い」
投稿を読んだ人からは、
「『守っときますんで!』って最高だね…!そうしなくても通れるようであってほしいけど、現状の流れを逆向きにするには、まずその流れをせき止めて、静止状態を『守る』ことが第一歩なんだな」
「札幌の地下鉄改札でも時間帯やタイミングでたまにありますよ。ひたすら待ちます」
「意識したことありませんでした。これから気を付けて気配りするように心掛けます」
などの反響がありました。
かなかな2y3mさんにお話を聞きました。
ーー改札口付近は混み合っていたのですか。
「平日の昼間のなんでもない普通の日でしたが、声をかけてくれた女性がいなければ車椅子では退場できませんでした」
ーーみんな気づかないのでしょうか。
「多くの人は車椅子の私を見て『ハッ!』と申し訳なさそうな顔をします。ただ、私が待っていることに気がつく時には既にICカードをタッチしてしまっているので通過するしかないんです。そうした悪気のない人々の連続で通れなくなってしまいます。まさに構造上の問題です」
ーー女性が来てくれて人の流れは止まりましたか。
「止まりました。というか、隣の改札に流れて行きました」
ーーバリアフリーの改札だから幅が広いということを知らない人もいるでしょうね。
「知らない人は無意識に使ってしまうと思います。わざわざ知っていなければならないということが、マイノリティの困り事を作っているとも言えます。全ての改札の幅を広げることを成立させられないのか?全てとは言わなくても入場用と退場用を分けた幅広改札を作ることはできないのか?と思います」
ーー誰もが使いやすい改札ということですか。
「そうです。誰かの善意や思いやりに依存した設備ではなく、誰もが気遣わずとも当たり前に使える設備を私は求めています」
車椅子ユーザーやベビーカーの人がわざわざ「すみません」と断って通らなくても済む設備。それはきっと、健常者も使いやすいでしょうね。