保護犬は人に心を開いてくれないかも…それは誤解です 保護団体スタッフの前では甘えん坊 なでると「もっとして!」アピール

松田 義人 松田 義人

最近は「ワンコと一緒に暮らしたい!」と考える人の選択肢のひとつとして、保護犬を迎えることが浸透してきています。しかし、「悲しい過去を持っていることが多い保護犬は、初めて会う人間に打ち解けてくれていないのではないか」という不安を抱く人も多いようです。

もちろん、保護犬の中には、過去のバックボーンや本来の性格から警戒心が強かったり臆病だったりする子たちもたくさんいます。その一方、人間が大好きで、人見知りすることなくすぐに心を開いてくれるワンコや、最初は警戒していても、やがて心を開いてくれるワンコももちろんいます。

北海道で行き場を失った犬猫の保護と譲渡活動を行う団体・HOKKAIDOしっぽの会(以下、しっぽの会)に昨年やってきたミックス犬のメスのモコも、そんな「人間大好き」な保護犬のうちの1頭でした。

モコは、地元・北海道の多頭飼育崩壊の現場からしっぽの会に保護されました。推定年齢は8〜10歳、体重は8.8キロほどのワンコで、茶色い毛並みとクリクリとした目が特徴です。初めての場所や人間には警戒心を抱いて怖がることがありますが、ひとたび「ここは安心できる場所だ」「この人は悪い人じゃない」と理解すれば、途端にモコ本来の明るい性格を見せてくれます。

苦手だったお散歩も今では上手に歩けるように

元飼い主から満足にケアやサポートを受けていなかった様子で、しっぽの会に来た当初は上手にお散歩をすることができませんでした。

しかし、そこはしっぽの会のスタッフです。慌てることはありません。モコのペースを大切にしながら、少しずつモコにお散歩トレーニングを重ね、今では「怖いものがない場所」であれば、うれしそうに上手に歩いてくれるようになりました。

初めてモコをシャンプーした際には少し警戒心を見せていたものの、馴れてくると気持ち良さそうな表情を浮かべてくれるようにもなりました。さらに、シャンプー後のドライヤーやブラシの際も上機嫌。しっぽを上げて、「もっとして!」と喜ぶ素振りを見せてくれるようになりました。

いつか心を

育ってきた環境から、ビビリだったり神経質だったりして人見知りの保護犬もいることは確かです。しかし、こういった人馴れが難しいワンコであっても、たっぷりの愛情を注げば、いつか心を開いてくれることも多いのです。

現状のモコは、まだまだ人見知りが強いものの、寝食を共にするスタッフに対する態度からわかる通り一概に「人間に心を開かない」というわけではありません。ひとたび信頼を寄せれば、きっと飼い主さんに寄り添うであろうワンコです。

ビビリですが、本当は人間大好きのモコ。モコにピッタリの新しい家庭との縁があれば、遠慮せず思いっきり甘えることでしょう。モコに幸せの日が訪れることを心から願うばかりです。

HOKKAIDOしっぽの会
https://shippo.or.jp/#gsc.tab=0

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