プラハから世界文化遺産の町・チェスキー・クルムロフへ コンパートメントに食堂車…ヨーロッパならではの「鉄道の旅」を体感

新田 浩之 新田 浩之

筆者は4年ぶりにヨーロッパの中央に位置するチェコ共和国を訪れました。その中で印象に残ったのが14年ぶりに訪れたチェスキー・クルムロフへの列車旅でした。食堂車やコンパートメントなど、ヨーロッパの鉄道旅行の良さを十分に楽しめる列車です。

 観光地チェスキー・クルムロフへの足

チェコはヨーロッパの中央に位置し、人口は1000万人ほど。面積は日本の5分の1弱となっています。首都は「百塔の街」と称せられるプラハです。プラハから南へ約150キロのところに世界文化遺産の町、チェスキー・クルムロフがあります。

チェスキー・クルムロフにはチェコで2番目に大きい城のチェスキー・クルムロフ城があります。城とその下に広がる町は大変美しく、世界的な観光地です。

そんなチェスキー・クルムロフへのアクセスですが、プラハからですと高速バスが一般的です。しかし、筆者はプラハから鉄道を使ってチェスキー・クルムロフを目指すことにしました。

プラハからチェスキー・クルムロフへはチェスケー・ブジェヨヴィツェを経由するルートがあります。

チェスケー・ブジェヨヴィツェまでは幹線。チェスケー・ブジェヨヴィツェからチェスキー・クルムロフ方面はローカル線です。

プラハからチェスキー・クルムロフへ行く際はチェスケー・ブジェヨヴィツェで乗り換えるのが一般的です。

ですが、1日1本だけプラハ発チェスキー・クルムロフ行きの直通列車が存在します。この列車はプラハ本駅を9時21分を出発し、チェスキー・クルムロフ駅に11時52分に到着します。

 「予約した列車がなかった」! 直通列車

筆者は前もってチェコ鉄道のホームページから切符を購入し、念のため座席も予約しました。座席番号は切符に記載されている通り「367号車・95席」です。料金は239コルナ、約1500円でした。

9時にホームに上がると、すでにチェスキー・クルムロフ行きの列車が入線していました。早速「367号車」を探しましたが、なぜか「367号車」が見つかりません。先頭は「368号車」になっていました。仕方がないので、368号車の予約されていないコンパートメント席に座りました。

ヨーロッパでも新幹線のような座席車は増えていますが、チェコでは現在もコンパートメントがあります。2等車ですと、6人1室が一般的です。

9時21分にプラハ本駅を発車してしばらくすると車掌が検札のために部屋に入ってきました。事情を説明すると、車掌氏は「そのまま座っていいよ」と。なぜ予約した車両が存在しなかったのか、最後までわかりませんでしたが、とりあえず座れてホッとしました。

チェスケー・ブジェヨヴィツェまでは幹線ということもあり、時速100キロ以上のスピードで飛ばします。停車駅も少なく、なかなか快適です。

この列車には食堂車(正確にはビストロ)が連結されていました。せっかくなので、11時過ぎに食堂車に行ってみました。

食堂車のメニュー比較的、充実しています。筆者はお気に入りの肉料理、スヴィーチュコヴァーを注文しました。価格は約200コルナ、1300円ほどです。

食堂車での食事を楽しんでいるとチェスケー・ブジェヨヴィツェ駅に停車しました。ここからは非電化区間のため、電気機関車からディーゼル機関車に交代します。チェスケー・ブジェヨヴィツェ駅を出発すると支線ということもあり、横揺れが激しくなります。ですが、乗り物酔いするほどではないのでご安心を。

11時52分にチェスキー・クルムロフ駅に到着しました。駅から旧市街へは下り勾配、徒歩15分の道のりです。一応、路線バスもあります。

 チェスキー・クルムロフの旅は最低1泊はおすすめ

チェスキークルムロフのバスターミナルも旧市街から少し離れており、徒歩15分ほどを要します。バスターミナルまでの道のりは平たんです。

したがって、プラハからチェスキー・クルムロフ旅行をする際に鉄道を利用する際は往路=鉄道、復路=バスをおすすめします。

また、プラハを中心とした旅行の場合、プラハでスーツケースを預け、チェスキー・クルムロフへは1泊2日の用意を詰め込んだカバンで行かれることをおすすめします。プラハからの日帰り旅行ですと往復6時間になり、なかなかしんどい旅になります。スケジュールを組む際の参考にしてください。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース