岩の間に挟まっていたのを救助された子猫 初めてのおうちで“お兄ちゃん”と運命の出会い「本当の兄弟のよう」

渡辺 陽 渡辺 陽

岩に挟まっていた子猫

リンタロウくん(生後4ヶ月・オス)は、岩に挟まって身動きが取れなくなっていた。2023年6月18日、石川県小松市の住民に保護され、石川県南部小動物管理センターで里親を募集した。

石川県在住のNさん夫妻は、先住猫のリョウマくんをセンターから譲渡してもらって以来、1日も欠かさずセンターのサイトを見ていた。6月21日にリンタロウくんが掲載されたのを見つけ、すぐに問い合わせたという。

「リョウマを迎えてから、2〜3年空けて保護猫をもう1匹家族にしようと決めていたので、いいタイミングでした。なぜかリョウマの時と同じく心がざわついて、すぐにセンターまで会いに行きました。本当は6月24日に夫と一緒にお迎えする予定だったのですが、抱っこした時にリンタロウの目が充血し、顔には救出された時についたキズもあったので、夫に相談してその日のうちに連れて帰りました」

Nさんはリンタロウくんを連れて病院に直行した。夫も動物病院に来てくれて合流。健康診断をしてもらうと、結膜炎になっていた。

「その日はポータブルケージに隔離しました。翌日ウンチの検査をしたら、お腹には虫がいなかったので、その日の夜に先住猫のリョウマと少し対面しました」

猫カビを発症

数日後、リンタロウくんのベッドの掃除をしたら、毛の固まりが落ちていた。
「病院に行ったら猫カビかもしれないと検査することになりました。検査結果が出るまで隔離生活がスタートし、7月4日に猫カビと判明してから完全隔離生活になりました」

検査に行ってから抗生物質を飲ませていたので、結果が出た時にはハゲの広まりは治まっていて、追加の薬と専用シャンプーで治療を初めたという。

「外猫は猫カビに感染していることが多いと聞き、野良猫は過酷な環境にいるのだと思い知りました。治療から16日間頑張ってくれて、7月19日に隔離生活が終わり、やっと先住猫のリョウマと一緒に遊べるようになりました。この日からリョウマはお兄ちゃんになり、リンタロウは弟になったのです」

名前は、「勝麟太郎・勝海舟」に因んでいるという。

血が繋がっていなくても家族になれる

リンタロウくんは好奇心旺盛で、なんでもリョウマくんの真似をして日々色々学ぶ。
「キャットウォーク、猫ドア、全てリョウマの真似をして覚えました。自動餌機カリカリマシーンと自動給水器は元々はリョウマのために買ったのですが、隔離期間中にリンタロウが使い方を覚えたので、リョウマがリンタロウの真似をしています。本当の兄弟ではないのですか、今ではいつも一緒にいて、お互い学び合い、本当の兄弟のように過ごしています」

「何があってもこの子達を幸せにして、最後の最後まで一緒に過ごそう」と強く思ったというNさん夫妻。

「ひとつ屋根の下で過ごせば、血の繋がりがなくても家族になれると教えてくれたのが、リョウマとリンタロウです。これからも家族の絆を深めていきたいと思います」

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