「幽霊が視える葬儀屋さんとお墓で待つ男」
漫画家の吉良いと(@kilightit)さんが、「X」(旧Twitter)に自身の漫画を公開。その内容に感動の声が集まっています。
「なんで誰も来ない」
とぼやきながらお墓の前でたたずむ男性。実はこの男性、すでに故人です。毎年墓参りに来てくれる娘夫婦を心待ちにしていますが、今年はなぜか全然来てくれません。
あまりに来るのが遅いので、「ついに忘れられてしまったのか…」と落ち込む男性。ですが、孫の顔を見るまではあの世へなんぞ行きたくない、という願いもありました。
やがて娘夫婦がお墓にやってきます。娘さんの胸には、初孫の姿が。男性は思わず号泣してしまいました。
死してなお幸せいっぱいの男性。まだまだ成仏しそうにはありません。一部始終を見守っていた葬儀屋さんは、「これはまだしばらく粘りそうですねぇ…」と呟くのでした。
このように、死者の視点からお墓参りについて描いた漫画。リプ欄にも感動の声が溢れました。
「もらい泣きした」
「亡くなった爺さん婆さんの気持ちってこんな感じかな…」
「孫が成人するくらいまでは粘りそう」
「お孫さん、きっとおじいちゃんのこと見えてるんだろうなぁ」
「ぜひご都合合う方には、それぞれお墓参りにいらしていただければと思います」
実はこちらの漫画は、吉良いとさんの創作漫画『幽霊が視える葬儀屋さん』のシリーズのなかの一編。先日のお盆休みの時期に併せて再掲載されたとのこと。
どのような経緯からこのような作品が生まれたのでしょうか?作者である吉良いとさんにおうかがいしました。
――今回の漫画は創作とのことですが、内容は完全なオリジナルですか?
吉良いとさん:オリジナルのショートストーリーです。このお話を考えた時がコロナ禍でして、実家に帰ってお墓参りをするのも難しい状況でした。そういったこともあり「故人の視点で、もし誰もお墓参りに来てくれなかったら...」を、短い物語にしたのがこのお話です。
――今回のお話は『幽霊が視える葬儀屋さん』シリーズの短編という位置づけになりますが、“葬儀屋”をテーマにした理由は?
吉良いとさん:『葬儀屋さんシリーズ』は私の創作であり、エピソードや人物にモデルはいません。私は幼い頃に身近な人の死を経験して、今もずっと後悔していることがあります。「もし、故人との後悔を晴らしてくれる人がいたら...」、そんな想いを叶えてくれる故人と遺された人を繋ぐ葬儀屋さんを主人公にして生まれたのが、『幽霊が視える葬儀屋さん』です。
◇ ◇
故人や先祖のことを想い、弔うお盆やお墓参りは、日本の良き風習といえるでしょう。
漫画を通じて、大切な心を伝えてくれた吉良いとさん。『幽霊が視える葬儀屋さん』のシリーズは、商業連載版(『ようこそ亡霊葬儀屋さん』)全3巻と同人版3冊が発売中。今回の「幽霊が視える葬儀屋さんとお墓で待つ男」の話は、同人版として発売された短編集『幽霊が視える葬儀屋さん 死期の色』に収録されています。
また現在、月刊コミックビーム(KADOKAWA)にて、『偶像(アイドル)エスケープ』が連載中です。
「ぜひよろしくお願いいたします!」(吉良いとさん)
■吉良いとさんの「X」(旧Twitter)はこちら
→https://twitter.com/kilightit
■『幽霊が視える葬儀屋さん 死期の色』はこちら(Amazon)
→https://amzn.asia/d/5nf5lbK
■『ようこそ亡霊葬儀屋さん』はこちら(Amazon)
→https://www.amazon.co.jp/gp/product/B086C2WQCT
■『偶像エスケープ』の情報はこちら(月刊コミックビームのウェブサイト)
→https://comicbeam.com/product/idolescape/