「愛犬にも京都土産」の需要が… まるで小料理屋のような贅沢メニュー「無農薬野菜の炊いたん」「鹿肉のだし茶漬け」

京都新聞社 京都新聞社

 京の味をペットにも―。JR京都駅(京都市下京区)新幹線構内の売店に、お土産用の犬のごはんが初めて登場した。ペットは家族の一員という考え方が浸透する中で新たな需要を見込む。京土産らしく、昆布とかつお節で取った一番だしを使い、無添加で仕上げた。そのこだわりの品とは―。

 新幹線改札内の「グランドキヨスク京都」の一角に7月初旬から並び始めたのは、「京の一番だし」「無農薬野菜の炊いたん」「京都産のジビエ 鹿肉のだし茶漬け」…。まるで小料理屋のメニューのようだが、すべて犬用のごはんだ。

 「ペットの手作りごはん」を掲げて2020年からペットフードの製造販売を行う「マンマボーノ」(京都府久御山町)が手掛けた。代表の西川友保さん(52)は、7年前に保護ネコを飼い始めたことがきっかけで、ペットの健康に関心を向けるようになった。

 西川さんによると、ペットフードの9割以上がドライフード。栄養バランスに優れ、ペットの寿命は延びた一方で、水分が不足しがちで結石など病気の一因にもなっているという。

 そこで、食事から水分が取れ、栄養価も高いウエットフードを開発すれば、より健康寿命も延びるのでは、と考えた。食品会社で25年間働いていた経験を生かし、起業した。

 「京の一番だし」は、京都の軟水に昆布と乾燥シイタケを煮出し、かつお節を入れて仕上げた。「野菜の炊いたん」は無農薬野菜をキューブ状にして、一番だしで軟らかく炊き上げた。

 「鹿肉のだし茶漬け」は、京都産鹿肉ジャーキーを一番だしで戻して、ドライフードにかけると茶漬けのような感覚で食べられるという。ほかに、「地鶏のそぼろ煮」や「おじゃこのだし茶漬け」などもあり、すべて無添加だ。

 当初は自社サイトのみで販売していたが、そのこだわりぶりがキヨスク関係者の目に留まり、京都駅にも置くことになったという。

 西川さんは「家族の一員に食べてもらう土産なので、京都らしい素材と味にこだわった」と話す。

 7月下旬、京都旅行の帰りに、愛犬用に「京の一番だし」を買った会社員女性(32)=栃木市=は「旅行のたびに犬にもお土産を買っている。京都のうどんのだしがおいしかったので、きっと喜びそう」と笑顔だった。

 犬のごはんは770円(一部880円)。近く猫用のごはんも発売する予定。

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