再開発に消える昭和の街並みがSNS上で大きな注目を集めている。
「東京・葛飾区立石にあるディープタウン『呑んべ横丁』が再開発の為に8月で消滅するとの事で訪問。
計画的には作れない混沌とした密集感がたまらない。すでに立ち退きで閉店した店も多く寂しさはあるが廃墟感が漂ってさらに怪しげな雰囲気に。
令和までよく残った」
とその現状を動画で紹介したのはジオラマ作家で執筆家の情景師アラーキーさん(@arakichi1969)。
呑んべ横丁とは京成立石駅の北側にある飲み屋街で、30mほどの2本の路地に居酒屋、スナックなど数十軒がひしめいている。昭和29年に商店街「立石デパート商店会」として誕生したが徐々に飲食店の比率が増え、近年では都内でも屈指の"ディープスポット"として知られた場所だ。
そんな呑んべ横丁も都の再開発事業により8月いっぱいで取り壊しが決定。終焉を待つその侘しい風景に、SNSユーザー達からは
「スナックニュー姫もおでんさくらもコロナ前にお邪魔したっきり。無くなるのは寂しいですな。」
「こち亀にも登場して、中川から九龍城と言われて、麗子からは千と千尋のモデルみたいだと言われる始末w」
「鍵を借りないと入れない共用トイレとか雰囲気がありました。残念ですね(T_T)」
「再開発とかでも横丁的なのあったりするけど、こういった趣のある横丁を作って欲しいなぁ」
など数々の惜しむ声が寄せられている。
今回の投稿について情景師アラーキーさんにお話を聞いたところ
「壊される街の歴史を記録しておこうと思い、初めて訪れました。平成バブル、東日本大震災、さまざまな歴史を経てよく令和まで残ったなという感想です。私はあまり酒が飲めないので、もしもアルコール耐性があるならば絶対に訪れていたと思います。
そして、私が再開発の担当者ならば開発された地で、ショッピングモールの中に、まるで映画のセットの様にこのままの呑んべ横丁を再現するのにとも」
とのこと。
また以前、この近所に住んでいた会社員の方によると、以前の呑んべ横丁はYouTuberや観光客の需要もあり盛り上がっていたものの、再開発の決定やコロナ禍の影響もありここ数年で店舗が次々と閉店。最近では10店舗ほどが細々と営業するのみだったという。
立石では今後、駅を中心に広域にわたり再開発がおこなわれる。その後に出来る新しい街が、地域の人々にとって住み良いものであることを願いたい。
情景師アラーキーさん関連情報
Twitterアカウント:https://twitter.com/arakichi1969