「一番かわいいのは私!」元気印の三毛猫と女子力100万点の長毛猫が、“仁義なき女の戦い”に突入! 5年もの争いの果ては

ふじかわ 陽子 ふじかわ 陽子

鳴り響くゴング

2016年10月、お父さんとお母さんは島原市を訪れていました。そこで偶然、地域の方がお世話をしている猫が生んだ子猫を目にした時、お母さんは驚きます。ロッシくんの面影があったのです。

生後3カ月ほどの長毛の子猫は、生まれた時期がロッシくんが亡くなった時期とほぼ同じ。毛の色も性別も違うけれど運命的なものを感じ、子猫を譲ってもらうことにしました。その子猫こそ、のちにマルコちゃんのライバルになるふうちゃんです。

C家に迎えられると、マルコちゃんの時と同じくぽこちゃんとデンデンくんは乳母日傘でお世話を焼きます。ぽこちゃんとデンデンくんの愛情を受け、すくすくと大きくなるふうちゃん。

ある時、ふうちゃんは気付きます。ぽこちゃんとデンデンくん、お父さんお母さんは私をチヤホヤしてくれるのに、家の中でただ1匹だけチヤホヤしない存在がいることを。

マルコちゃんも同じ時期に考えていました。今まで家の中で一番可愛いと言われていたのは私なのに、なんであの小娘はデカイ顔をしているのかと。

女の仁義なき戦いの火蓋が切って下ろされました。

「わたしが一番かわいい!」

とはいっても、殴り合いのケンカはしません。片方がお母さんに可愛がられていると、もう片方が「わたしをかわいがって!」とアピールするだけ。ふうちゃんは潤んだ瞳で上目遣いをしたり、足元でスリスリしたり。一方、マルコちゃんは吠えるように鳴くんです。まるで犬のよう。時々、「ワン」って鳴くこともあるんですよ。

お母さんはニコニコ笑いながら、2匹を平等に可愛がります。お父さんも2匹に取り合いしてもらいたくて、ふうちゃんにアピールするのですがけんもほろろに。どうやら、お父さんはマルコちゃんの付属品だと思われているよう。まとめて「敵」。

そんなんですから、お父さんはいつもマルコちゃんに慰めてもらっています。それなのに、時折、ふうちゃんは女子力100万点でアピールしてくるではありませんか。お父さんは、つい「ふうちゃん、可愛い!」と言ってしまいました。マルコちゃんは激おこです。

デンデンくんは女の戦いが怖く、マルコちゃんとふうちゃんがバチバチに火花を飛ばしていると部屋からそっと出ていくんです。触らぬ神に祟りなし。ぽこちゃんはマイペース。

戦いの果てに

5年ほど続いたこの戦いの終止符は、ある日突然打たれました。理由は定かではありません。なぜか、マルコちゃんとふうちゃんが一緒にいるようになったのです。お父さんもお母さんもビックリ。でも、2匹とも心の中では、今でも「わたしが一番かわいい」と思っていそう。

お父さんはようやくふうちゃんの「敵認定」も外され、今では少しだけ撫でさせてくれるように。マルコちゃんから向けられる視線は痛いけれど、お父さんは幸せです。

現在は平和になったものの、お父さんから2匹にお願いがあります。それは、穏やかな猫のお手本のようなぽこちゃんを見習ってほしいこと。誰かに1番を決めてもらうんじゃなく、どーんと構えてほしいんです。

でも、そうなってしまったら、マルコちゃんとふうちゃんの良さが消えちゃいそう。やっぱり、ありのままの我がままな姿でいてほしいと願うお父さんでした。

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▽お父さんのTwitter
https://twitter.com/marupoko959

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