やせ細った体 ぼろぼろの毛並み 保護犬は生きるため小さな体を必死に守ろうとしていた

松田 義人 松田 義人

2023年初め、岐阜県の保健所に1頭のミックス犬が収容されていました。名前はあおばちゃん。推定5歳くらいの小さなメスのワンコで繁殖場から他のワンコと一緒に保護されたそうです。ガリガリに痩せ細り、毛並みはグチャグチャ。悪臭も放っていました。あおばちゃんには噛み癖があり、職員を噛んでしまったそう。人慣れもなかなか進まず、このままだと殺処分の可能性もありました。

団体スタッフを見て、ブルブル震えていた

厳しい状況の中、岐阜県の保健所の職員から依頼を受けたのが愛知県を拠点に保護活動を行っている一般社団法人SORA小さな命を救う会(以下、SORA)でした。SORAのスタッフが保健所に行くと、あおばちゃんは初めて見るスタッフの前でただブルブル震えるだけでした。

それでも、事前に聞いていた噛み癖は少々おさまっており、職員の努力の甲斐もあり厚手の手袋で触れるくらいまでになっているとのこと。スタッフはそんなあおばちゃんに対し「大丈夫だよ。怖くないからね」と声をかけてレスキューし、愛知県のSORAのシェルターに連れて帰ることにしました。

移動中は「どこに連れていくの?」「また辛い目に遭わせるの?」と言わんばかりに、不安そうな表情を浮かべていましたが、シェルターに着いてから「この人たちは悪い人じゃない」「ここも今まで過ごしてきた環境よりずっと良い場所だ」と感じてくれたのか、落ち着いた表情を見せてくれました。そして、噛むこともなく、首輪もつけさせてくれ、さらにはなんと抱っこまでさせてくれました。

この環境に安心してくれたのでしょうか。そんなあおばちゃんを見て笑顔がこぼれるスタッフでした。

威嚇から一変。甘える仕草を見せるようになった

まずあおばちゃんをシャンプーし、トリミングすることにしました。劣悪な環境でボロボロになった毛並みは少しずつきれいになり、匂いも少しずつ収まっていきました。さらに、スタッフがあおばちゃんから離れそうになると寂しそう表情を浮かべ、甘える仕草を見せてくれるようになりました。

保健所では、小さな自分の体を守ろうと、ときに人間を威嚇し噛みつくこともあったあおばちゃんですが、たっぷりの愛情をかけ、信頼関係を築いたことで、こんなに愛くるしい本来の性格を見せてくれるようになりました。

あおばちゃんはスタッフのサポートを受けながらSORAで暮らしており、里親募集もスタートしました。これまで辛い思いをしてきたあおばちゃんですが、それ以上の幸せをつかむため大きな一歩を踏み出しました。

SORAでは、あおばちゃんのように苦しい思いしたワンコたちの命を救いケアしながら、温かく迎えてくれる里親さんにマッチングする活動をしています。ぜひ、今後の活動に注目してください。

一般社団法人SORA小さな命を救う会
https://www.instagram.com/sora_save.dogs/

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