スーパーの屋上を歩く愛犬の姿に「生きる力」もらった!白血病になったママと家族の愛にネット感動

渡辺 晴子 渡辺 晴子

「ちょこの記録で始めたTwitter
1年で私が白血病に

骨髄移植で入院の3カ月は
誰にも会えず
もちろんちょこにも

旦那が病室の窓から見えるスーパーの屋上に連れてきて
散歩風でちょこを見せてくれた」

こんなつぶやきとともに、1枚の写真をツイッターに投稿した「チワワのちょこ」さん(@Chihuahua_choko)。そこに写っていたのは、パパさんとお散歩するワンちゃんの姿…その様子を白血病で入院中のママさんが病室から眺めていたそうです。3万超のいいねがついた話題の写真について、ママさんに聞きました。

「この1枚には、ありったけの優しさ、愛情、たくさんの想いがあふれていますね」

投稿したのは、「チワワのちょこ」さんこと、過去に白血病を患ったというママさん。写真のワンちゃんは、愛犬のちょこくん(チワワ)といいます。7歳の男の子です。2年ほど前、骨髄移植手術を受けるため入院していたときの思い出深い写真を投稿したとのこと。3カ月は誰にも会えず、とても心細かったママさん。そんな気持ちをくんでパパさんが病室の窓から見えるスーパーの屋上にちょこくんを連れてきて、散歩しているところを見せてくれたのが「生きる力」となったいいます。投稿には、パパさんの行動に「深い愛」を感じて涙する人たちが続出しています。

「涙が出ました。かわいいチョコちゃん、優しい旦那さんに出会えて幸せですね!!」
「素敵なご主人ですね!深い愛ですよ」
「この何気ない風景の中に、そんなにもたくさんの愛と勇気が詰まっていることが胸に響きました」
「いい場所にあった 屋上」
「小さく見えるちょこちゃんが大きな生きる力になったんですね!」
「この1枚には、ありったけの優しさ、愛情、たくさんの想いがあふれていますね」

今は病気を乗り越えて少しずつ通常の生活を送れるようになったというママさん。入院していた当時のことを聞いてみました。

無菌室での3カ月は家族に会えない寂しさ、吐き気、倦怠感…つらかった時、屋上に愛犬の姿が!

――過去に白血病で骨髄移植手術のため3カ月誰にも会えず、入院されていたとのこと。免疫力が落ちるため無菌室の病室で、誰にも会えなかった時のお気持ちは?

「無菌室の中の3カ月は家族に会えない寂しさ、そして吐き気、倦怠感、眠れないほどの全身のかゆみ、謎の胃痛など…いつ終わるのかわからない毎日だったので、身体はもちろんですがメンタル的にもかなり追い込まれていました。ただ、絶対に死なない!家族に会うために生きてここを出る!移植手術の約半年後に控えていた子供たちの卒業式に必ず出る!という気持ちでいました」

――そんなママさんの気持ちを察したパパさんが病室の窓から見えるスーパーの屋上にちょこくんを連れてきてくれたわけですね。

「そうですね。毎日体調が大丈夫な時はビデオ電話をしていたのですが、ちょこだけはそれを理解できないためお互いにとても寂しい思いをしました。それを見かねた主人のアイデアでお散歩を見せてくれたんです。初めて散歩する場所ということもあり、まっすぐ前を見て一生懸命に歩いているちょこの姿が健気で心にジーンときて…また退院してちょこを絶対ぎゅーってするんだと、あらためて思いましたね」

――直接会えない時、お子さんたちは?

「子どもたちはきっとたくさん我慢していたと思うのですが、それを隠して明るく振る舞っていました。主人が病室の窓の外に連れてきてくれてもここだよー!と電話越しの声と同時に手を振ってくれるものの、寒いから車乗るねー!と妙にドライで(笑)。その頑張って我慢している姿を見るとすごく辛かった反面、早く帰りたい!たくさん甘やかさなきゃ、と思いました」

愛犬の記録をツイッターで始めて1年ほどで白血病に

――ちょこくんの記録のためTwitterを始めて1年ほどで白血病になったのですね。

「病気が発覚して入院したは2021年の春です。その2年前から首や脇にしこりが何個かあり、総合病院で定期検査していました。しこりが大きくなったり増えたりして体調が徐々に悪くなりましたが、定期的に見てもらっている安心感から『年齢的なものかな?俗に言う更年期の始まりかな?』と思い、サプリメントや食事に気を使っていました。

しかし、貧血の症状が強く出始め玄関から車まで歩くだけでもひどく息切れするように。さすがにおかしいと思い仕事が休みの日にいつもの病院に行くと採血でほとんど血液が作られていない事がわかり、すぐに血液内科のある病院を紹介されました。採血の結果、白血球は19万。血小板もありえないような数値でした。骨髄検査の結果、慢性白血病が急性化してしまっていて骨髄の中のほとんどががん細胞でパンパンな状態だと。すぐに担当の先生に『私は死ぬんですね?』と尋ねました。先生は『そんなこと言うのは早い! そうならないために今すぐ治療するから!!』と声を荒げました…」

――当然、白血病の宣告は受け入れがたいものだったと…。

「はい。自分の状況が全く受け入れられず、夢を見ているような感覚でした。主人と病気の説明を受けた後、エレベーターの前にあったベンチで二人で座り、主人の袖をつかみながら娘たちの名前を叫び、『死にたくないー!! まだまだ私が必要なのに。これから色々見たいのにー!! いやだーいやだーーー!!』と子供のように泣きじゃくりました。泣きすぎて鼻をかむと鼻血が出て本当に白血病なんだな…と。インターネットで調べたり、細かく何年生存率とか数字の話を聞いたりする勇気はなかったので、先生の心強い言葉だけを信じることにしました。夜になると、このまま家族に会えないかもしれない。涙が止まらず、看護師さんにたくさん不安な思いを聞いていただきました」

骨髄移植手術を受け、クリスマスイブに退院!「最高のクリスマスプレゼント」

――骨髄移植手術を受け、病気を乗り越えて退院された時は?

「入院した21年のクリスマスイヴに退院しました。神様からの最高のクリスマスプレゼントでした。移植後しばらくは感染対策が必要なので動物と密に接することはできないのですが、退院後、再会した時のちょこのキューンキューンという甘えた声は忘れられません。子供達は少し照れくさそうではありましたが、頑張っていた肩の荷が降りたような安心し切った顔で当たり前だったこの時間は奇跡なのだなと心からドナーさんに感謝しました。

現在は3カ月に一度血液検査をしていますが、たくさん飲んでいた薬もこの前の外来で朝の2錠だけになりました。仕事にも行けるようになり、毎日ありがたく過ごしています。無理するとすごく疲れてしまうのですが、体力をつけるためにもちょこと毎日8000歩のお散歩を心がけています」

――最後にご自身が患った白血病という病について訴えたいことを。

「私が白血病と宣告されたのはたった2年と少し前。その時は自分がまさかそんな病気になるなんて夢にも思っていませんでした。私が今生きているのは、献血してくださった方々の輸血。骨髄バンクでドナー登録と骨髄提供してくださったドナーさんのおかげです。

どんなにすぐれたお医者さまがいても輸血、ドナーさんがいなければ生きられなかった命です。白血病だけではなく、日本人の2人に1人がかかると言われているガン。この治療でも輸血が必要になる時があります。いつ、どこで事故に遭うかも分かりません。少しでも興味を持って下さった方は献血にご協力お願いします。また骨髄バンクのホームページなども見ていただけるとうれしいです」

※日本骨髄バンクのTwitterアカウントは(@JMDP1789)

「日本骨髄バンクのホームページ」

(公財)日本骨髄バンクのTwitterアカウントは(@JMDP1789)

チワワのちょこさんのTwitterアカウント(@Chihuahua_choko)

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