「燃やせるごみ」→「分別頑張ったんやけど、燃やすしかないごみ」に名称を変更「ながっ!」 自治体に真意を聞いた

太田 浩子 太田 浩子

 家庭ごみの減量について、自治体ごとにさまざまな取り組みがおこなわれています。そんななか、徳島市(公式)(@tokushima_city)のツイートが注目されました。

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【「燃やせるごみ」の名称を変更】
燃やせるごみの中には、資源として再利用できる紙ごみが多く含まれています。紙ごみを分別することで新たな紙製品としてのリサイクルを促進するため、「燃やせるごみ」の名称を「分別頑張ったんやけど、燃やすしかないごみ」に変更します。

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 5月15日に、「燃やせるごみ」の名称変更についてツイートした徳島市。なお、現在発行されている印刷物は変更することなく、「『燃やせるごみ』と記載があるものについては、『分別頑張ったんやけど、燃やすしかないごみ』と読み替えてください」としています。

 ツイートは、1354.6万回表示され、2万のリツイート、5.6万の「いいね」がつきました。「こーいうの嫌いじゃない(めっちゃ好き)」「すごく良い取り組みだと私は思います😊」「環境のこと考えるきっかけにもなるし面白い取り組みっ👏✨」という賛成意見が多いなか、「市民ですが、エイプリルフールかと思いました」「名前が長い」「同時に、紙ごみの収集回数を増やして欲しいです」など、250を超えるリプライが寄せられています。

 実は、すでに同じような名称変更を行なっている自治体があります。福岡県柳川市は2021年1月から、京都府亀岡市は2023年4月から「燃やすしかないごみ」に変更しています。名称変更について、徳島市を取材しました。

──なぜ名称を変えることになったのですか?

 令和3年度ごみの組成分析において、徳島市の燃やせるごみの中の割合の第1位が「紙類」で36.71%、第2位は「ちゅう芥類(生ごみなど)」で31.62%となっており、「紙類」が一番多く一般家庭から排出されている状況です。

 紙類を燃やせるごみの中に入れてしまうと、燃やすしかないごみとなってしまいますが、正しく分別すれば「ごみ」は「資源」に変わります。

 そのため、市民の方の分別意識を高め、ごみ減量化と資源の再利用化を図ることを目的として、「燃やせるごみ」の名称を「分別頑張ったんやけど、燃やすしかないごみ」に変更することにしました。

──ツイートが話題になって、さまざまな意見が寄せられています。

 今回の徳島市の名称変更に対しては、ご賛同いただいたご意見や、提案も含めそれ以外のご意見もたくさんいただきました。数多くの方々よりご意見をいただけたことについては、ごみ減量対策に取り組む本市として、ごみについて考えていただく良い機会となったととらえており、徳島市民だけにとどまらず、全国の皆様に対して「ごみ分別意識」の向上に繋がったと考えています。

──「紙やプラが混ざってないと燃焼できず油?石油投入するとか、、本末転倒、、」というコメントがありました。紙ごみを資源にすると、余計な燃料が必要なのでは?という話はよく聞きます。

 定期補修をした場合、焼却炉を停止した状態から焼却炉を稼動させる時に、燃料を多く使用します。焼却炉を継続して稼動していれば、紙類が減った場合でも焼却炉の燃焼温度などへの影響は少ないものと考えています。

 また、紙類が減ることにより、ごみの総量が減ることで、老朽化した施設の負担軽減に繋がると考えています。

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 つまり、紙ごみが資源になれば、燃やすごみの量が減り、焼却炉の寿命を延ばすことになります。また、焼却するゴミが減れば、灰を減らすことができるため、灰の運搬や処分の費用も減らせることになります。「分別頑張ったんやけど、燃やすしかないごみ」の名称変更が、ゴミの減量を意識するきっかけになれば良いですね。

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