残業が増加している業界…「商社」「マスコミ」を超えた1位は? ちなみに減少傾向の業界1位は「メーカー」

まいどなニュース情報部 まいどなニュース情報部

近年は働き方が多様化し、仕事よりもプライベートを重視する考え方が広まってきたり、残業をしたくないという人も一定数いるようです。エン・ジャパン株式会社(東京都新宿区)は、同社が運営する総合求人サイト『エン転職』を利用する1万2940人を対象に、「残業」についてアンケートを実施しました。その結果、8割以上の人が「残業の有無や平均時間等が転職活動における企業選びに影響する」と回答したことが分かりました。また、残業時間が増加傾向の業種は「コンサルティング・士業」が最多だったそうです。

調査は、2023年2月~3月の期間にインターネットで実施されました。

最初に、「転職活動をする上で、残業の有無や平均時間等は、企業選びにどの程度影響しますか?」と聞いたところ、84%が「影響する」(とても影響する:49%、少し影響する:35%)と回答しました。年代別に見てみると、20代は55%、30代は56%の人が「とても影響する」と答えました。また男女別では、「とても影響する」と答えた人は男性が44%だったのに対し、女性は54%と10ポイントの差がありました。具体的なコメントは以下の通りです。 

【「とても影響する」「少し影響する」と回答した人のコメント】
▽基本的には「その環境で本当に自分自身をスキルアップさせられるか」を重要視しますが、やはり残業の平均時間も少し見ます。平日であっても家族と少しでも一緒にいられる時間を確保したいからです。(23歳男性)
▽残業が前提になっていて、みなし残業代を超えないようタイムカードを切らされる職場で働いていました。社員のモチベーションが低く、たいへん働きにくい環境だったため、次の転職先は残業がほとんどなく、ある場合も正当に賃金が支払われる会社に転職したいという意思があります。(27歳女性)

【「あまり影響はない」と回答した人のコメント】
▽残業に対しての対価が適正であれば全く問題はないです。(25歳男性)
▽自分のしたい職に就けていたら嫌な残業も耐えられると思うので、企業選びには影響はしないと思います。(30歳女性)

次に、「ここ数年で、あなたの残業時間は増加傾向ですか?減少傾向ですか?」と聞いたところ、「変わらない」が50%となり、「増加傾向」(26%) と「減少傾向」(24%)はほぼ同率となりました。業界別に見てみると、残業時間が増加傾向だったのは、「コンサルティング・士業」(36%)が最多で、次いで「商社」「サービス(飲食・教育・福祉など)」「マスコミ・広告・デザイン」が同率で28%となりました。一方、減少傾向の業種は「メーカー(機械・電気・電子など)」(32%)が最多となり、次いで「メーカー(素材・食品・医薬品・アパレルなど)」「運輸・交通・物流・倉庫」が同率で28%という結果になりました。

また、残業時間が「増加傾向」と回答した人に、具体的な理由を聞いたところ、「人員が足りないため」が75%と最も多く、次いで「仕事量が増えたため」が67%となり、以下、「仕事の割り振りが偏っているため」(28%)、「残業を前提として仕事を指示されるため」(20%)と続きました。

一方で、残業時間が「減少傾向」と回答した人の理由を聞いたところ、「残業が制限されたため」が42%で最多となり、以下、「仕事の量が減ったため」(33%)、「定時を前提としているため」「仕事を早く済ませる風土があるため」(同17%)と続きました。

最後に、2023年4月から中小企業で働く人の「月60時間を超える残業代の割増率が50%に引き上げ」になったことについて聞いてみると、「知っている」は39%(内容も含めてよく知っている:9%、概要だけ知っている:30%)に留まったといいます。また、引上げについては、80%の人が「良いと思う」(とても良いと思う:47%、良いと思う:33%)と回答した一方で、「良くないと思う」(とても良くないと思う:1%、良くないと思う:8%)という声も1割弱ありました。それぞれの具体的なコメントは以下の通りです。 

【「とても良いと思う」「良いと思う」と回答した人のコメント】
▽規定ができれば、遵守しなければいけないし、60時間未満におさえるよう企業側も対策してくれれば、より働きやすくなると感じました。(25歳男性)
▽企業としては生産性を上げるチャンスだといえるし、従業員側としては、手取りアップかワークライフバランスを重視するか、見直すきっかけになると思う。(44歳男性)

【「良くないと思う」「とても良くないと思う」と回答した人のコメント】
▽賃金が上がるなら多少の残業は我慢すべきという、残業の常在化に拍車をかけてしまいかねないような危ない雰囲気を感じる。(27歳女性)
▽残業代を稼ごうとして、わざと非効率な仕事の進め方をしてしまう人が出てくる可能性があるから。(33歳女性)

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