全国の18~23歳の大学生1400人に「大学生のアルバイト」に関する調査を実施したところ、約7割の人が「現在アルバイト就業中」で、手取り月収平均は「6万1000円」でした。2022年と比べて5500円増えていた一方で、希望する月収も「10万7600円」と、前年より2万8200円増加していました。現実と理想の額のギャップが広がっており、大学生たちが昨今の物価高騰に苦しんでいる様子がうかがえるといいます。
株式会社マイナビ(東京都千代田区)が、2023年2月にインターネットで実施した調査です。
調査によると、「現在アルバイト就業中の大学生」の割合は68.4%。コロナ禍に実施された2020年調査の水準(71.8%)には回復していないものの、コロナ禍がはじまった2021年の62.9%より5.5pt増加しています。
また、「アルバイトの手取り月収」の平均は「6.10万円」で、2022年比+0.55万円となりました。その一方で、「希望月収」は「10.76万円」と、2022年比+2.82万円で大きく増加しており、実際の手取り月収との大幅なギャップ(-4.66万円)が生じています。
同社は、「物価上昇の影響を受けて、希望する月収が前年より上回ったことで実態とのギャップが大きくなったと考えられる」とコメントしています。
続いて、現在アルバイト就業中の944人に、「アルバイトの目的」を複数回答可で教えてもらったところ、「貯金をするため」(61.7%)、「趣味のため」(55.4%)、「自分の生活費のため」(38.9%)、「交際費のため」(37.8%)、「社会経験を積むため」(36.5%)といった回答が上位に並び、2022年比では「交際費のため」が+6.0ptと大きく増加しています。
これを学年別にみると、大学1年生で「社会経験を積むため」(42.0%・全体比+5.5pt)、大学2年生で「将来のキャリアのため」(21.6%・同+5.3pt)、大学3年生で「自分の生活費のため」(44.8%・同+5.9pt)が高くなっており、低学年層ほどキャリア形成を目的にアルバイトをしている様子が見て取れました。
最後に、「就職活動を意識してアルバイト先を決めましたか」と聞いたところ、25.8%の人が「就職活動を意識してアルバイト先を決めた」と回答。
また、「就職活動を意識してアルバイト先を決めた」と答えた244人に、「就職活動を意識してアルバイト選びをした際に重視したこと」を複数回答可で答えてもらったところ、「正しい言葉遣いができるようになる」(43.2%)、「将来の仕事や職業に役立つような経験をする」(38.9%)、「アルバイトを通じて関わる人の数を増やす」(34.7%)などが上位に挙げられ、アルバイトを将来の仕事に役立つ経験を積む場としてとらえている大学生が多いことがうかがえました。
同社は、「コロナ禍による授業のオンライン化などにより、同級生や先輩とのつながりが少ない中で、リアルな仕事の実情や経験を話してくれたり、相談に乗ってくれる人との出会いの場として、アルバイト先を選ぶ大学生が増加したことがうかがえる」とコメントしています。