企業の与信管理にかかわるサービスを提供するリスクモンスター株式会社（東京都中央区）は、2024年3月卒業予定の大学生の男女400人（男女各200人ずつ）を対象とした、第9回「就職したい企業・業種ランキング」を発表しました。その結果、「地方公務員」を希望する人が最も多かったそうです。
調査は、2023年1月～2月の期間にインターネットで実施されました。
「就職したい企業・業種ランキング」をみると、1位は5年連続で「地方公務員」（11.8%）でした。以下、2位「国家公務員」（6.0%）、同率3位「パナソニック」「日本航空（JAL）」（いずれも3.8%）、5位「森永乳業」（3.5%）、同率6位「花王」「トヨタ自動車」「NTTデータ」（いずれも3.3%）、同率9位「サントリー」「アップル」（いずれも3.0％）と続きました。
順位が上昇している業種としては、「森永乳業」（8位→5位）、「サントリー」（36位→9位）などの飲食料品製造業、「パナソニック」（4位→3位）、「アップル（Apple）」（47位→9位）などの電気機器製造業が挙げられたほか、「日本航空（JAL）」（28位→3位）、「花王」（36位→6位）、「アマゾン」（47位→11位）、「デンソー」（47位→13位）、「サンリオ」（73位→19位）などの企業がランクアップしていました。
一方、「ソニー・ミュージックエンタテインメント」（8位→75位）、「東日本旅客鉄道（JR東日本）」（16位→75位）、「TBS」（16位→55位）などが、大幅にランクダウンする結果となっています。
ランキング結果を文理別にみると、文系・理系ともにトップ3は「地方公務員」（文系13.5％・理系10.0％）、「国家公務員」（文系7.5％・理系4.5％）、「パナソニック」（文系2.0％・理系5.5％）でした。また、文系では同率3位に「日本航空」（5.0％）、5位に「森永乳業」（3.5％）がランクイン、理系では同率3位に「NTTデータ」（4.5％）がランクインしていました。
また、男女別では、男女ともに「地方公務員」（男性13.0％・女性10.5％）がトップとなるなか、男性は「サントリー」（4.5％）が4位、「日本ハム」（3.5％）が同率5位など、飲食料品製造業が上位に。一方、女性では「花王」「資生堂」（いずれも4.0％）が同率7位になるなど、化粧品製造業が上位にランクインしており、男女ともに上位企業に大きな変動はみられず、人気企業の傾向は継続していました。
続いて、「就職したい業種ランキング」をみると、1位「公的機関・その他」（26.8％）、2位「IT・情報通信」（10.5％）、3位「金融・法人向けサービス」（7.0％）という結果になり、上位2業種は前回順位から変わらず、引き続き高い人気となっています。
他方、「就職したくない業種ランキング」では、「小売・外食」（11.3％）、「金融・法人向けサービス」「運輸・物流」（いずれも9.8％）が上位となり、「小売・外食」、「金融・法人向けサービス」の2業種は前回順位から変わっていないものの、「金融・法人向けサービス」の回答率は前回の14.4％から減少しています。
次に、「就職先の選定において気になる点」について調査したところ、1位「給与額」（ 42.0％）、2位「福利厚生」（35.3％）、3位「雇用形態（正社員・契約社員など）」（25.5％）、4位「勤務地」（24.5％）、5位「残業時間」（24.3％）という結果となりました。
また、「最低限実現したい生涯最高年収」については、「500万円以上600万円未満」（15.0％）、「600万円以上700万円未満」（12.3％）、「1000万円以上1500万円未満」（11.3％）などに回答が集まった一方で、「2500万円以上」と答えた人が5.0％、「300万円未満」と答えた人が10.0％いることが分かりました。
「民間給与実態統計調査（2021年度）」によると、民間企業の平均年収は443万円となっており、学生の回答が「500万円以上600万円未満」に集中していることから、「平均所得を上回れば良い」と考える学生が多く存在していることがうかがえます。
最後に、「理想の就職活動開始時期」について調査を行ったところ、2019年調査と同様に「大学3年生前期」（38.5％）が最も多く、理想の内定希望時期としては、「大学4年生前期」（57.0％）が過半数を占めました。一方、実際に就職活動を開始した時期については、「大学2年生」（25.0％）、「大学3年生前期」（20.5％）などに回答が集まっており、自身の理想よりも早期に就職活動を開始している学生が多いことが明らかとなりました。
