日本を代表する電気街、東京・秋葉原の一角で異例のヒットを続けるキーホルダーがあります。創業76年の「愛三電機」(東京都千代田区)が販売する「LANケーブルキーホルダー」。実用品でないにもかかわらず、約8cmという手のひらサイズと、ポップなカラー展開が受け、2020年の発売以来、約1500本以上を売り上げます。発案者の同社ツイッター担当者に話を聞きました。
「キーホルダーにしたらかわいいのでは?!」
光通信部材や配線パーツなどを販売する同社。社内には知識や経験豊富なスタッフがそろっています。ある日、ツイッター担当者がベテラン社員にLANケーブルの作り方を習っていたときのこと。練習用に作った短いケーブルが、思いの外、かわいい仕上がりに。担当者はひらめきます。「キーホルダーにしたらかわいいのでは?!」
試作品をツイッターに投稿すると、「すごい」「これは欲しい」「かわいい」など多くの反応が寄せられ、担当者は確信します。「需要があるかも」
手始めに17本ほど作って店頭に並べたところ、すぐに完売。その後も売れ続け、「発売以来、累計1500本以上が売れております。常連の方から、キーホルダーを通して初めて愛三電機を知ってくださった方まで、うれしいことに幅広い方にご購入頂いております」。
ツイッター担当者は「配線部材のかわいさをたくさんの方に伝えられたことがとてもうれしいです」とし、「ぜひキーホルダーをきっかけに、愛三電機にも遊びに来ていただきたいです」とアピールしています。
色は青、緑、水色、橙、赤、白、黄の7色。カラフルなケーブルの中央に同社名「AISAN」と左右に「TOKYO」「AKIBA」の地名入り。各830円(税抜)。
店頭とオンラインショップで販売していますが、現在は完売(4月24日現在)。入荷状況など、最新の情報は同社公式ツイッターアカウント(@AisanNews)で。
24時間購入できる「プロ向け商品の自販機」でも販売
LANケーブルキーホルダーは、大規模複合ビル「秋葉原UDX」地下2階にある自動販売機「愛三電機自動販売機 秋葉原UDX店」でも取り扱っています。
LANケーブル、OAタップ、RJ-45プラグ、光清掃用品、コンソールケーブルなどが24時間買えると話題のスポット。「経費で落としやすい自動販売機にしたい」という思いから、全ての商品に購入明細書を貼り付けて販売するというきめ細やかさです。
プロ向けのパーツが並ぶ中、キーホルダーは異彩を放ちますが、こちらも補充した先から売り切れるという人気ぶりです。