「うさぎはニンジンが好きではない」!?専門家が警鐘「程々に」生野菜も危険が「学校でよくあげてたのに…」「もっと早く言ってくれ!」

太田 浩子 太田 浩子

 うさぎのイラストには、ニンジンがセットで描かれていることが多く、「うさぎはニンジンが好き」と思い込んでいる人も多いのでは? 実は「うさぎはニンジンが好きではない」と明かしたツイートが話題になりました。

 ツイートしたのは、ペットとして飼われるうさぎの「生活の質」を高める研究をする「一般社団法人うさぎの環境エンリッチメント協会(@rabbitenrich)」です。

 一般的に、うさぎがニンジン好きだと思われている理由について、
「ウサギの好物と言えば人参を浮かべる方が多いのですが、これはピーターラビットが食べていたからそう思われているようです。ピーターが食べていたのは人参ではなくラディッシュだったそうで、人参好きなウサギはそう多くないようです。繊維質も多くないので程々に」としています。

 リプライには、ピーターラビットのほかに、バックス・バニーのイメージもあるのではないかとするコメントも。たしかに、バックス・バニーはよくニンジンをかじっていますね。うさぎとニンジンを結びつけていた人からは「学校でよくあげてたのに…」「もっと早く言ってくれ!」と驚く声が寄せられました。

 また、「人参ではないなら、うさぎが好きなものは?」と聞く人に、

「葉物野菜は好きな子が多いですよ。人参なら葉っぱだったり、手に入りやすいものなら小松菜やキャベツなども大丈夫です。ただし与える量は控えめにしてあげてください」

「お野菜はおやつとして少量与えていただくと、食のQOL(※)を高めることができるので、そのように使っていただくと良いですね」

※QOLとは、Quality of life(クオリティ オブ ライフ)「生活の質」のこと

と回答しています。うさぎの食について、同協会に詳しいお話を聞きました。

──私もうさぎはニンジンが好きだと思い込んでいました。葉っぱは好きな子が多いけれど、量は控えめにした方が良いのはなぜですか?

 昔は、ウサギ小屋に生野菜を放り込んで育てていました。現在のペットウサギは、牧草を主食に、ラビットフードを副食に与えて育てるのが一般的な飼育方法です。ここに給水器で水を与える訳ですが、ここで生野菜を大量に与えると、ウサギが下痢をして亡くなってしまうことがよくあります。このため生野菜はおやつとして、多くとも青梗菜であれば1/2枚程度までに抑えて与えるのが安全です。

──あげすぎると、亡くなってしまうこともあるのですね…それは大変です。コメントを見ると、好き嫌いは個体差があるようですね。

 個体差もありますし、与え続ければ食べるようになることもあります。

──うさぎの生活の質の向上を目指して、どのようなことをされているのですか?

 適正飼育の啓発活動を行っています。このなかでも従来の獣医師からの発信情報だけではなく、動物行動学、動物栄養学から視点を加えているところが、これまでの類似活動と大きく異なります。

 また、健康なウサギの発育と成長には食事内容が最も重要であるため、ラビットフード初の総合栄養食として『コンプリート1.0』を香川大学と共同開発して、通販で必要な方に届けています。

 ◇ ◇

 同協会のツイッターでは、「食欲が落ちているかなと感じたら」や「うさぎの食事時間について」など、飼育についてのさまざまな知識が投稿されています。うさぎを飼われている方は、チェックされてはいかがでしょうか。

◾️一般社団法人「うさぎの環境エンリッチメント協会」
ツイッター https://twitter.com/rabbitenrich
ホームページ https://rabbit-enrichment.or.jp

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