大家と店子との間に交わされる賃貸借契約の条件がSNS上で大きな注目を集めている。きっかけになったのはたいしょうさん(@taisho__)の投稿だ。
「家賃が上がりますという管理会社からのお知らせに『嫌です。契約書にも普通賃貸借と書いてあるので、私の合意なく家賃は上げられないはずです』と連絡したら、バグったらしく返事がない。」
賃貸借契約には主に普通建物賃貸借契約と定期建物賃貸借契約の2種類がある。一般に、大家から家賃の値上げを求められた場合、それに応じなければならないと思い込んでいる人が多いようだが、たいしょうさんの言うように普通建物賃貸借契約においては契約の更新や内容の変更については貸主、借主双方の同意が不可欠となるのだ。
SNSユーザー達からは
「管理会社、今まで「私がこうすることで同意せぬ賃借人はいなかった」という感じなんだろうな。みんな従順すぎるんだよ」
「理由言えないんだ‥‥情けない管理会社だわ。工事まで自分ところで丸抱えするところが多いのに。設備を直すお代はここイチニネン明らかに上がっているんだけどなぁ。給湯器不足とか。」
「同じようなことが昔あり、理由を聞いたら『固定資産税が上がっているからです』と嘘の理由を説明されたことがあります。そんなもん調べれば一発でバレるのに。そのような事実は無いですよ、と返したらあっさり引き下がっていきました。」
「以前住んでいたアパートの更新の時に他の部屋の金額を調べて、うちも他と同じく(下げて)してくださいと交渉した事はあったな 交渉は成功しました」
などの声さまざまな声が寄せられている。
投稿者に聞いた
たいしょうさんに話を聞いた。
ーー今回要求されている家賃値上げはどのような内容でしょうか。
たいしょう:108000円を113000円に引き上げるというお話でした。5000円という値上げ幅は5%弱ですので、昨今の状況からするとありうるものだと理解していました。
ーー管理会社の対応、態度についてご感想をお聞かせください。
たいしょう:これまで特に不満はありませんでしたが、この物件はもともと個人大家だったものを管理会社が買収し、その後金融機関に転売したという経緯があり、個人大家時代の管理不良のつけが我が家に噴出してきていました。具体的には、排水や給水のトラブルや電気設備のトラブルが散発する状況でした。2年間で排水の逆流が3回、電気設備トラブルによる停電が2回起こっています。その際の管理会社の対応は迅速に進められたものの、困ったことが多く、引っ越しも検討していました。
ーー今回の件は
たいしょう:「本物件は近年新規募集賃料の水準より低額な賃料となっているため、賃料を改定いたします」という説明が書かれた送付書により通知されました。それは理由として説明が不足しているだろうと感じていました。建物賃貸着契約改定に関する申し入れ書に署名して返送しろというのもどうも解せず、こちらから「私は低廉な賃料で物件を借りておりましたので、113000円に引き上げていただきますようお願いします」と大家に申し入れることにも違和感がありました。結論として賃料の改定は見合わせるというメールが来ております。
ーー投稿の反響へのご感想をお聞かせください。
たいしょう:普通の建物賃貸借契約において、賃料の改定は一方的に行えないということは思ったより知られていないのだなと驚きました。また、大家さんをしておられる方からの「ふざけんな」というような反応、通りがかりの方々からの「乞食かよ」みたいな罵りには正直参りました。
◇ ◇
つくづく法律や契約内容に関する知識は身に付けていたいものだと思う。もし大家から一方的な家賃値上げを要求されている方はぜひ参考にしていただきたい。
なお、今回の話題を提供してくれたたいしょうさんは、反響に乗じて大阪の天神橋筋六丁目駅前で営業するカップケーキ店「アトリエナユタ」をPRしたいとのこと。アトリエナユタは今までにないくちどけのバタークリームを使用したカップケーキが話題の人気店。商品はオンラインショップでも購入できるので、ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。
たいしょうさん関連情報
Twitterアカウント:https://twitter.com/taisho__
アトリエナユタ関連情報
所在地:大阪市北区本庄東1-17-20
公式ホームページ:https://ateliernayuta.com/