人気アニメ「名探偵コナン」の劇場版第26弾作品として公開された「黒鉄の魚影（サブマリン）」とともに、ある統計がSNS上で話題になっている。過去の映画作品が実際に起きたとすれば、どれくらいの被害額が出るか―というものだ。外資コンサルタントが映画全作品を見返し、被害に遭った動産・不動産を中心に算出。一番被害額が大きかったのは、シンガポールを舞台にした2019年の「紺青の拳（フィスト）」で、リゾート施設など計6390億円だったという。
統計を出したのは、外資コンサルタントの吉澤準特さん。空想科学を分析するのが好きで、ツイッターでさまざまな統計を紹介している。昨年には、主人公コナンが暮らす米花町の殺人件数が2020年時点、世界で最も多かったベネズエラの10倍、日本の2000倍であったことなどを算出している。
アニメだからこそ躊躇せずに破壊
今回の統計は、実際に事件が発生したら被害額はどれくらいになるのだろう―と疑問に思い、作品を見返したという。被害内容は、映画を早送り鑑賞しながら、高額と思われる破損対象をチェックして列挙。市場価格を調べて各映画で足していき、上位10作品をグラフにした。
1位の紺青の拳では、ホテルのマリーナベイ・サンズ、植物園のガーデンズ・バイ・ザ・ベイなどが爆破されており、推計6390億円の損失。2位の「沈黙の15分（2011年）」では北ノ沢ダム2154億円を含む計2190億円。3位は「緋色の弾丸（2021年）」で、スタジアム1500億円を含む1710億円だった。
「割り切ってシンプルに計算した」と吉澤さん。実際には対象が破損された場合の復旧作業費用が発生するが、無視して総工費や市場価格を積み上げて数字を作ったという。「巨大な社会インフラが被害に遭っている作品では被害額が跳ね上がるなと感じました。アニメだからこそ躊躇せず破壊できるのは面白いですね」と話す。
一通り見返した吉澤さんのおすすめは、かるた札が絡み合うミステリーの真相と恋愛描写を描いた「から紅の恋心（2017年）」。倉木麻衣さんの主題歌の切なさも相まって、素敵な映画だと感じたそう。新作については「アニメでしかできない思いきった演出と被害額を期待しています」
