「初めて途中でタクシー下車した話」
京都在住のホラー漫画家、洋介犬 [ようすけん]さん(@yohsuken)。この度、タクシーに乗車した時のとんでもない経験を漫画にしました。
現在16歳になる愛猫のために、自宅から距離のある動物病院に定期的に通院しているという洋介犬さん。この日も病院に薬を受け取りに行き、帰りにタクシーに乗りました。しかし、そのタクシーの運転手は、乗客である洋介犬さんにひどい悪態をつきはじめます。
「ホントは京都駅で列作ってる外国人乗せに行きたいんだよねぇ」
「でも、次々客が現れるから京都駅に戻れやしない」
「指定されたルートじゃなくていい?時間ないから」
「…ご迷惑なようなのでここで降ります」
耐えられなくなった洋介犬さんは目的地の半分ほどで下車。残りのけっこうな距離を歩いて帰る羽目になってしまいました。
「薬を受け取りに行っただけで猫同伴じゃなかったのがまだ救いでした。猫にそんな思いさせたくないので」と、振り返る洋介犬さん。その時の状況について詳しく聞きました。
――漫画からも運転手さんの対応のひどさが伝わってきますが、実際どのような態度だったのでしょうか?
洋介犬さん:漫画ではあえて時間経過を圧縮していますが、実はかなり長くは乗っていて、最初からこちらが指示した遠回りの空いている道を嫌がったり、兆候はありました。口調は最初は敬語だったのですが、次第にタメ口が混じるようになり…そして「時間がないんだよね」と言ってからは漫画の通り堰を切ったように…という感じです。
――漫画で描かれていること以外にも、いろいろと言われたのですか?
洋介犬さん:他に言われたのはメーターのことや「めんどくさい地域」に関して…これ以上は伏せた方がいいのでやはり伏せます。
タクシーで同じような思いをしたという人から怒りの声
「(この運転手にとって)『京都駅に戻りたいのに邪魔が入る。時間がないんだよ!』が本音で、最大の不満は『時間をとらせている』だったようです」と話す洋介犬さん。
運転手の側にもそれなりの事情があるのでしょうが、それでもお客に自分の都合を押し付け、不満を言い続けたり、ぞんざいに扱ったりする態度はあり得ませんね。
洋介犬さんがTwitterに漫画を公開すると、リプ欄には怒りの声が続出しました。
「仕事をする者として『なってない』と思います」
「そんなに行きたいなら回送にして京都駅に行けば良いのに」
「同じくタクシー運ちゃんから一言。ドライバーが全面的に悪い」
「普通に会社にクレームを入れて良い案件かと思われます」
さらに、同様にタクシーで嫌な思いをしたという方の声も多数あがりました。
「連れが腰椎板ヘルニアを悪化させて歩けないと言うので、近くの病院に…とお願いしたら、乗せてはくれたけど、渋滞にイライラし始めて、挙句にここで降りろとドア開けられました…」
「妊婦だった頃、臨月でお腹が痛くて歩くのが辛くなり、停まっていたタクシーに声をかけ、ドアが開いたので良いのかと思い乗り込んだ後に行き先を告げたら『すぐそこなんだから歩いて』と言われ追い出されたこと思い出しました…」
「仕事の出張で初めての土地に行って、タクシーで目的地の説明のためにスマホで『ここに向かって欲しいんですけど…』と住所を見せようとしたら、運転手さんから『口で言えや!』と怒鳴られました」
「高校生の頃、横断歩道歩いてたらタクシーに軽く轢かれ転んだら『オーバーリアクションすんな!!』って逆に怒られた」
さらには、「京都のタクシーには嫌な思い出しかありません」「京都のタクシーはクソって聞くけど本当なのか…」というように“京都”という地域に限定したコメントまで。
しかし、そんな声もある一方で、洋介犬さんは「20年以上住んでいて、巷で言われているほど『京都のタクシーはひどい』とは感じていません」と話します。
猫の通院のために、タクシーのお世話になることが多いという洋介犬さん。大抵の運転手さんは、猫を優しい目で見てくれ、猫の思い出話に花が咲くこともあるといいます。また、怪談話を教えてくれたりなど、ホラー漫画家としてありがたい情報源でもあるとか。
業界全体が向上して欲しい
上述の通り、タクシー運転手も決して嫌な人ばかりではありません。しかし、一部であってもそういう人がいることで、タクシー業界全体が悪く思われてしまうのは残念なこと。
リプ欄での助言もあって、洋介犬さんは今回の体験について、然るべきところに報告をしたそうです。
「(今回利用した)タクシー会社にお電話したのですが話し中だったので、“京都府タクシー協会”の方に連絡させていただきました。窓口の女性がとても丁寧で親身に話を聞いてくださり、お詫びもしてくださったのでかなり救われた気分になりました」(洋介犬さん)
取材時点では、洋介犬さんに直接、タクシー会社や運転手などからの折り返しの反応はないとのこと。しかし、「僕個人への謝罪などは辞退してもいいので、その分、嫌な思いをする方が減る方向にお時間を使っていただければと思います」と洋介犬さんは言います。タクシー協会に連絡をした際にも、最後に「今後のためにお役に立てれば」と言い添えたとのこと。
洋介犬さんが願う通り、業界全体の質が向上し、皆が気持ちよくタクシーを利用できるようになって欲しいですね。
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ホラー漫画家として活躍中の洋介犬さん。準備中のものを含めると連載は8本にもなり、大忙しとのことです。
単行本では、KADOKAWAより『JC、殺人鬼やめました』が2巻まで発売中(2023年3月現在)。小学館より『悪魔の論破 ~信じてはいけないあの娘のために~』が5月10日に発売予定とのことです。
「『他では絶対読めないホラー』ばかり準備しているので、どうかお読みいただだければ幸いです」(洋介犬さん)
■洋介犬さんのTwitterはこちら
→https://twitter.com/yohsuken
■洋介犬さんの『JC、殺人鬼やめました』はこちら(コミックウォーカーサイト内)
→https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_EB00202436010000_68/
■洋介犬さんの『悪魔の論破 ~信じてはいけないあの娘のために~』はこちら(やわらかスピリッツ内)
→https://yawaspi.com/akuma/