2023.03.14(Tue)

「愛がこじれてもうたんかな？」衝撃クッションに…マユリカ脱力！？　お笑い芸人とのコラボブランド「LAUGHREES」仕掛け人に聞いた

フェリシモと、お笑い芸人とのコラボレーションブランド「LAUGHREES（ラフリーズ）」。2022年の冬に第三弾として発売されたロングコートダディ、マユリカ、ニッポンの社長のオリジナルアイテムは爆発的な人気を見せた。しかも、第三弾のコラボ芸人は3組すべてその後すぐ東京進出が決定し、活躍がますます期待されている。そんなラフリーズの企画の秘密を仕掛け人であるフェリシモの担当者に尋ねた。さらに「魚肉ソーセージクッション」でコラボしたマユリカのふたりにも感想を聞いた。

コラボする芸人は「おもしろい！応援したい！」でチョイス

話を聞いたのはフェリシモの「LAUGHREES」開発担当者である脇知佳さん。「もともとお笑いが好きで、芸人さんを応援したい、お笑いを盛り上げたい」という思いから企画しました。「フェリシモは、同じ『好き』を持つお客さまに共感して、ほかにはないオリジナル商品の企画や新たな価値をつくることができる会社。それに加えて、私は雑誌編集の経験があるので、グッズ以外にもお笑いで毎日を楽しむためのファンブックやウェブサイトなどにも力を入れることができます。自分たちの強みとお笑いを掛け合わせてできること…とメンバーと一緒に考えたのがLAUGHREESです」。

LAUGHREESのグッズは「お笑い好きがほしいもの」「見る人が見ればその芸人のグッズだとわかるさりげなさ」「芸人の個性を詰め込みながら普段使いできるおしゃれなもの」をテーマに作られている。ロングコートダディの「転生マルチクロス」や「わにくうどんニット」は、ワニになりたくて神様に相談するも肉うどんになってしまう『転生』というネタを普段使いできるグッズに仕立てたものだ。

「世の中にあるお笑いグッズは、コンビ名や彼らの顔写真が大きくプリントされた、いわゆる『THEお笑いグッズ』が多い印象がありました。そういったグッズは普段使いできるかと言われると、ちょっともったいない気がするというか。もしも自分が持つなら、おしゃれさもありつつ芸人さんのネタやキャラクターがさりげなく落とし込まれているものがほしい。そういうものって世の中にありそうでないな、と思っていたので、それを形にしたいという気持ちで作りました」と話す。

「ロングコートダディさんのコントや漫才はストーリーがあって、想像することが楽しいネタばかりです。転生ネタも、肉うどんも、その想像をビジュアルに落とし込みました。ラフリーズでニットを取り扱うことは初めての試みだったので、着用することにハードルがあがりすぎないよう、さりげなさにこだわりました」

ロングコートダディは、LAUGHREESの第二弾に続いての起用となった。理由は「第二弾を発売したとき、Twitterで「こんなの待ってた！」と大きな反響があり、その声にもっと応えたいと感じたためです。彼らのファンの方々が求めているものを具現化できた、という手ごたえもありました。また、彼らのネタやネタ中に登場するワードは、ついついグッズにしたくなるものばかりでアイデアがわきやすく、次にやってみたい形が明確にあったんです。そこで第三弾でもオファーしました」と脇さん。

よく見るとあのネタやん！とわかる絶妙なバランス。ファン同士がさりげなく推しをアピールできることもあり、わかる人にはわかる感がスゴイのだ。

また、ニッポンの社長のアイテムはさらに攻めている。

ニッポンの社長のコント『立ち飲み屋』の＂実はリュックとからだがくっついていた＂という衝撃のオチをナップサックにしてしまった。

「ニッポンの社長さんのコントの小道具は、どれもリアルで再現度が高いこともあり、それをいかして何かできないか、と。赤いチェーンソーを再現したポーチ、ケツさんがかぶっているくたくたのキャップなど、いろいろアイデアは出たのですが、どれも、普段使いとはちょっと離れてしまうため決め手に欠けてしまい…。改めて彼らの魅力ってなんだろう？と考えたとき、やっぱりネタの衝撃力だなぁと。そして立ち飲み屋のコントを改めて見た時に「これだ！」と閃いてナップサックを作ることになったんです」。

「コンセプトをのせたうえで実用性を重視するもの、もう少し遊んだり突き抜けてもいいもの…と、各商品の落としどころをデザイナーさんと一緒に考えるのですが、ナップサックの裏面の赤いメッシュの色は、鮮やかな赤にするか、鮮やかさをおさえたボルドーに近い赤にするか、スタッフのあいだで少し意見がわかれました。ニッポンの社長さんに商品をお見せしたとき、辻さんが『（採用した方を見て）ぜったいこっちがいいと思います！』とおっしゃっていたので、ほっとしました」と苦労話もポロリ。

ニットやクロス、ナップサックなど日常使いできるおしゃれグッズが出来上がるなか、ちょっと風変わりなアイテムも発売された。こ、これは！どんな意図で？とお笑いファンを驚かせたマユリカの「魚肉ソーセージクッション」だ。

なぜ魚肉ソーセージか。それは、麒麟の川島氏がマユリカのことを「再現ドラマでしか見ないタイプの俳優顔と、魚肉ソーセージ」と表現したことから。

購入者には、このクッション専用のマユリカオリジナル音声を用意。それをスマホにダウンロードしてクッションの裏側にあるポケットに入れたら、二人の声を聞きながら眠ることができる、というなかなかレアな楽しみ方を提案した脇さんたち。実は脇さんたちLAUGHREES企画チームは、マユリカのポッドキャスト番組「マユリカのうなげろりん！！」のヘビーリスナーなのだそう。

「『魚肉ソーセージっぽいクッション』というアイデアは、打ち合わせの際に出ていたのですが、それだとただのクッションになるのでもうワンパンチほしいな…と話し合いました。彼らのラジオがすごくおもしろいこともあり、クッションから彼らの音声を聴けたらもっといいかも？せっかくなら彼らのスペシャル音声がほしい！という流れに」。

では、マユリカの2人はこのグッズを見たときどう思ったのだろうか。

ポッドキャスト番組では、「ラフリーズさんたちの僕らへの愛情がヘビーなゆえに、愛がこじれてもうたんかな？」（阪本）、「ほかの2組と趣旨が違いすぎる（笑）」（中谷）と印象を語っていた二人。商品化についてオファーを受けた時はどんな気持ちだった？

中谷「自分たちのグッズが出ると聞いてめちゃくちゃうれしかったです！普段使いにできるファッションアイテムだといいなと思っていましたが、魚肉ソーセージ！？音声は就寝前に聞く人にもうるさくないよう心掛けました。仕事がうまくいかなかったとき、家に帰って僕らの魚肉ソーセージクッションに癒されてほしいです。もし次に出す時は、今度こそ普段使いできるファッションアイテムでお願いします！」

阪本「うれしかったですね。でも、想像とは全然違ったグッズになっていたので、あとは流れに身を任せました。初めて見たときは唖然としましたが、今は気にいってます。次回作るとしたら、ロングコートダディさんのようなカッコイイ柄の布に憧れます」

ポッドキャスト番組では商品の使い方や柄についても説明。不気味だ、愛がゆがんでいるなどと言いながらも、手触りのよさや細かなデザインについての楽しみ方なども解説し、「外に持って出なくても、家でさりげなく推し活を！」とプッシュしたのであった。

グッズだけではない。第三弾のリリース後に、Twitterで「企画も楽しいしとにかく写真がすごく良い」「まだ見てない人見て」「ファンにはたまらない必見の内容だらけで見応えあり」と話題になったのが、ファンブックの『オフレコ！』だ。

「タイトルの『オフレコ！』は、ラフリーズでしか読めない情報が詰まっているという意味をこめてつけました。お笑いファンの方々は、ネタはもちろん芸人さんの人間性をひっくるめて応援していることが多いので、彼らの新しい一面を知ることで、もっと応援したくなる、そんな一冊にしたいと思い作りました。マユリカさんにお見せした際に、阪本さんが「読み応えがめっちゃある」と言ってくださったときは、すごく嬉しかったです。良くても、もしだめでも、反応をいただけるということは、とても嬉しいことなので」と脇さん。52ページのボリュームの中身は、楽屋で話していそうな雑談や、彼らが好きなものなど、舞台では見えない一面がぎっしり詰まっており、6人の集合写真では自由な会話の中でのラフな姿や自然な表情を掲載している。