両脚を引きずった傷だらけの白猫 獣医師「歩けないかも…」 肉球をもむように洗うとピンク色に「涙が出ました」

渡辺 陽 渡辺 陽

ハクくん(オス・2歳)は、2020年10月末、千葉県に住む村井さん宅の庭に現れた。黒猫の母猫と三毛猫の兄弟、3匹一緒にいた。村井さんはごはんを与えて様子を見ていたが、やがて母猫と三毛猫は見かけなくなったという。

「食いしん坊のハクだけが居着きました。ある日、背中に怪我をしていて、両脚を引きずって歩いていたので、その日の晩に保護しました。脚の甲にも深めの傷がありました」

動物病院に連れて行き院内で歩かせてみると、獣医師は「外部からの攻撃かな。歩けるか、歩けないか半々です」と言った。今は普通に歩けるようになったそうだ。帰宅後、とにかく汚れていたのでお風呂に入れた。脚をお湯に浸けながら肉球を揉むように洗うと、色がなかった肉球がみるみるピンク色になった。ハクくんはよほど気持ち良かったのかうっとりしていたが、その表情を見て村井さんは涙が出たという。

お姉ちゃん大好き

ハクくんをケージに戻して翌朝見てみたら、ケージの上段で寝ていた。村井さんは、「脚、動くじゃ〜ん!!」と歓喜した。

8月末に迎えたサビ猫のぽてとちゃん(2歳・メス)と対面させる時は、少し慎重に会わせた。ハクくんをケージに入れて、ぽてとちゃんから来てもらうようにしたら、2匹ともウーシャー言うことはなかった。ハクくんを出してみるとずっとぽてとちゃんの後をついて回り、ぽてとちゃんもすぐに受け入れてくれた。

「ちょっと何この子!という追いかけっこ感がありましたが、両脚を引きずっているし、オムツも履かせていたからかなと・・・」

闘病、そして元気に

ハクくんは部屋の中でフリーにしてもトイレで排泄したが、怪我が原因なのか間もなくオシッコが出なくなった。お腹が膨らんでいたので獣医師に相談すると、「子猫はみんなぽんぽこりんの体型だ」と言われたが、不安を伝えたらもう一度診察してくれた。やはり膀胱にオシッコが溜まっていた。しかも、ハクくんは先天性なのか怪我のせいなのか、ちんちんの先が壊死していた。

「毎日のように通院しましたが、会陰尿路術という尿路の手術と療法食で回復。オシッコが出るようになり、今は問題なく元気に走り回っています」

2匹は追いかけっこをしてプロレスをするのだが、ハクくんに勝つことがぽてとちゃんの楽しみだ。ハクくんは猫じゃらしで遊ぶのが大好き。神経質でツンデレなぽてとちゃんと天真爛漫なハクくん。村井さんは「とにかく愛おしい」と言う。

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