フェリーに乗れずぶらぶらしていたら…世紀の大発見!? 更地に古いレールが→戦前に栄えた駅の痕跡か

竹内 章 竹内 章

廃線跡巡りが趣味のTwitterユーザー、隼のぶを(@HYBSNBW)さん。明石港(兵庫県)近くをぶらついていたところ、更地に埋まった見覚えのある鉄骨が目に飛び込んできました。それは兵庫電気軌道(現在の山陽電鉄)明石駅の存在を示すレールでした。92年前の昭和6年に廃止後、埋もれた歴史を再構築するような偶然の発見。古びたレールがロマンと郷愁を語ります。

バイクで淡路島に向かうため、次のフェリーを待つ間、港付近を歩いて時間をつぶすことにした隼のぶをさん。乗り場近くにかつて兵庫電軌が乗り入れていたことを知り、廃線跡の探索を始めました。当時の兵庫電軌明石駅があったのは現在の明石港前交差点付近。すぐ横の更地でレールが出土しているのを偶然見つけました。「今日は世紀の大発見した」「たった一本のレールだがここに鉄道があった何よりの証拠」「現在の山陽電鉄明石駅から500メートルほど離れた現在では鉄道とは無縁のこの土地において、このレールは当時ここに駅があったことを示す重要な遺構であることに間違いない」と興奮気味に投稿しました。発見時について聞きました。

ードラマのような発見ですね

「痕跡がないかなあと更地を眺めていると、レールがありました。90年以上前の、増してや戦前に廃止された路線ですから、まさか痕跡が残っているとは、と大変驚きました。フェリーに乗りそびれて凹んでた気持ちが一気に高ぶりました」

ー当時の明石駅をどう想像しますか

「今は明石海峡大橋の開通で淡路島との行き来はクルマが中心ですが、かつては島への玄関口として兵庫電軌の明石駅は大変にぎわったと思っています。その当時の一辺だけでも見ることができたのは貴重な体験でした」

土木遺産に詳しい坂下泰幸さんによるサイト「関西の公共事業・土木遺産探訪」によると、昭和初期の明石の鉄道は、国鉄(現在のJR)明石駅の南に神姫電気鉄道(後に兵庫電軌に併合)の路線が走っており、「明石駅前駅」がありました。さらに南には兵庫電軌の明石駅前駅と港に近い明石駅がありましたが、二つの鉄道会社の合併に伴い、新しい明石駅前駅が整備されたため、兵庫電軌の明石駅と明石駅前駅は廃止されました。廃線跡は兵庫県に払い下げられ、道路が整備され、商店や民家が建ち並び市街地に姿を変えました。

駅の廃止から1世紀近く経過した今、歴史を伝えるかのように姿を見せたレール。隼のぶをさんは「このレールは何の用途でここに埋められているのか分からないが、もしかしたら線路柵や駅の施設の一部として使われていたものの成り果てかもしれない。なんにせよ、このレールの上を最後に列車が通ったのは100年ほど前と考えるとロマンある。」と感慨深くツイートしています。

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