80歳・77歳・72歳の三姉妹は「あつ森ガチ勢」 攻略ノートも自作し、楽しむ姿に「未来の老後交流」「安否確認や認知症予防になる」

宮前 晶子 宮前 晶子

「我が母77歳。あつ森 始めて一年。何を収穫しどう加工すれば儲かるか、花の交配法、カブの売り買いでどう儲けるか等々全て手書きでファイリング。20ページの自作攻略本。母は三姉妹の真ん中。昨年姉(80)と妹(72)にもあつ森勧めて婆ちゃん3人で毎日お互いの島で遊んでる。何とも楽しそうな老後。」

『あつまれ どうぶつの森』に夢中になったあまり、お手製の攻略ノートまで作成した77歳のお母さんの様子を写真とともに伝えるTFjしろくまさん(@a_dungeon 以下しろくまさん)の投稿が12万件以上のいいねがつき、拡散されています。

「公式の攻略本でも、原価率でどれが儲かるまでは書いてない。凄く分析してる!」
「自分で試行錯誤するのが本来のゲームの醍醐味」
「ご自分で楽しかった、良かったことを周りの家族に勧めていることが素晴らしい」
「三姉妹で仲良く遊んでる姿ながめて癒やされたい」
「楽しい老後、理想です」
「私の祖母もハマって別荘200件以上笑」
「頭や指先使うから認知症予防にも」
「あつ森コミュニケーションは目からウロコ」
「年齢を超えて楽しめるあつ森って、やっぱり素晴らしいゲーム」

リプ欄には、あらゆる方面からの声が続々と寄せられています。

「反響の大きさに、母やおば達と一緒に驚いています。リプや引リツ1件1件に返信できる余裕がないほどで皆様に感謝しています」と述べるツイ主のしろくまさんと、攻略ノート作成者であるお母さまに取材しました。

母「あつ森は三姉妹の生活の一部」

子どもや孫に勧められたからと『あつ森』との出会いを振り返るお母さま。「お正月に来た時に孫たちがやっているゲームを見て、「戦うゲームはできないけど、これならやれるかな?」と思って、分からないところは、孫頼みで始めました」。

手書きの攻略ノートを作ったのは、「私より3ヶ月遅れて『あつ森』をはじめた80歳の姉に、わかりやすく説明するため。昨年の春から夏頃だったと思います」。ゲームで作れるアイテムの品名についての売値などを記して表を作り、草花の開花時期なども事細かに丁寧に書き込んだノートは、情報を日々更新。

80歳の姉、72歳の妹を誘ったのはコロナ禍で自由に出歩くことがはばかられるようになったため。「コロナ前は年に一度三人で温泉旅行をしておりましたが、家篭り生活になってしまいました。姉も私も一人暮らしで長電話をしていたタイミングで出合ったのが『あつ森』。LINE通話で会話をしながら、ワイワイ楽しんでいます」。今となっては、「『あつ森』でプレイすることは三姉妹の生活の一部」とキッパリ。

1年間で約1500時間をプレイに費やしており、「お互いの安否確認、認知症予防にもなっております。今後も、姉妹や孫達と静かに楽しく『あつ森』を楽しみたいと思っています」

息子「一人暮らしの母をあつ森で安否確認」

「何気なく投稿した自分のツイートが、まさかここまでバズってしまうとは」と予想外の反響に驚きを隠せないしろくまさん。「母も、あくまで自分が楽しむためにやっている事がこんなに話題になってみなさんに評価していただけるとは思わなかった、と驚くと同時に喜んでおります」と続けます。

「こんな老後を過ごしたい」「こんな歳の重ね方をしたい」といったコメントも多く、「母にとっても、私にとっても嬉しい言葉です。この場を借りて、今回反響をくださった全ての皆様に感謝いたします。ありがとうございました」。

もともと、たいへんアクティブな性格、と息子の目から見た母を語るしろくまさん。今でも庭いじり、洋裁、日曜大工などを楽しんでいますが、昔から好奇心旺盛だったそうで、「新しい事を始めるのに躊躇しないタイプ。ゴルフ、ギター、俳句、絵画など、かじった趣味は数知れず。現役で働いていた頃は、職場にワープロやパソコンなどの新しい機器が導入されると真っ先に使い方を習得していたようです。最近はスマホやネットの辞書を使って英語の本の読解をするのが楽しいようです」。

興味を持ったらとりあえずやってみるというお母さまのエピソードとして「私が子どもの頃、私と弟は剣道教室に通っていました。母は、付き添いで来ていたのですが、いつのまにか自分も習うことになって、最終的には私や弟よりも、上の三段まで取得してしまいました」と明かします。

現在、お母さまは、息子であるしろくまさんの住まいから車で30分程の実家でひとり暮らし。『あつ森』を勧めた背景には、「『あつ森』で繋がれば、日々の安否確認ができるのではないかというのもありました。たとえ同時にプレイできなくても、Nintendo Switchのフレンド欄の母のプレイ時間が増えていれば“ああ、元気そうだな”と安心できますから。今では、母と母の姉と妹の高齢者3人で『あつ森』を楽しみつつ、お互いの見守りにもなっています」。

三姉妹が楽しむ様子から、「高齢者同士がオンラインゲームで繋がり、それがお互いの安否確認、認知症予防にもなるというのは、今後迎える超高齢化社会に向けて、オンラインゲームが持つひとつの可能性ではないか」との思いも。

これからも野菜を育て、花を咲かせ、料理を作る、『あつ森』三昧の日々を姉妹で楽しんでくださいね。

■TFjしろくまさんTwitter@a_dungeon

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