京都・洛北のスーパーで政党ポスターが”増殖”中… 外壁に40枚、なんでこんなに増えた?「まるで展示場」

国貞 仁志 国貞 仁志

 どこかで見たような顔、顔、顔…。京都・洛北にある叡山電鉄修学院駅前(京都市左京区)のスーパーの壁に、所狭しと政治家のポスターが貼られている。12月上旬に記者が数えてみると40枚ほどあり、10の政党・政治団体が掲示していた。地元の議員や秘書の間ではちょっとした有名スポットだが、なぜこんなに増えたのだろうか。

 京都市内は来春の統一地方選で府議選と市議選が行われることもあり、議員や立候補予定者の顔と名前を並べた「連名ポスター」があふれかえっている。自民党、立憲民主党、日本維新の会、共産党…。このスーパーにくれば、さまざまなポスターを一覧して見比べられ、展示場のようだ。

 通りがかりの人に感想を聞いてみた。近所に住む男性(65)は「あまり気にして見ていない。ちょっと無節操やな」とぽつり。買い物帰りの女性(58)は「目には入りますが、これだけ多いと、ポスターが切り替わっていても分からない」と苦笑いを浮かべた。

 政治家は少しでも顔と名前を有権者に売るためポスターを貼らせてもらえる場所を探し歩く。特定の政党のポスター以外はお断りという家や事業所もあるが、党派に関係なく貼らせてもらえるスペースは貴重。「公営掲示板」と隠語を使って歓迎する関係者もいる。

 このスーパーを経営する平山幹人社長(59)によると、建物ができた40年ほど前から政党のポスター貼りを許可しており、歴史は古い。昔は政党の数自体が少なく自民党や共産党ぐらいしかなかったが、さまざまな新党が生まれ政党の数が増えるにつれて、ポスターも増えていったという。

 一方、客商売ならではの理由も。

 平山さんは「うちはどこの党の支持でもないけど、いろんなお客さんがいるので、この党は貼らせて、あの党は貼らせへんというわけにはいかへん」。

 

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