大阪市内で居酒屋を経営する竹川洋さん(49)=島根県知夫村出身=が、新型コロナウイルスの影響で店を開けられない間に作ったイワガキやアワビ、漁船といった「知夫里島マニアックフィギュア」が村の玄関口・来居港の土産物売り場で50個以上も売れるヒット商品となっている。竹川さんは郷愁をくすぐるフィギュアの新作を近く追加生産して納品する予定だ。
3~5センチ程度の大きさで「べこ」と呼ばれるウミウシ、カメノテ、白イカ「しいしび」(一夜干し)といった海産物のほか、知夫里島をかたどったミニチュア、消滅した「くそじま」という島、かなぎ漁の箱めがねなど、文字通りマニアックな約15種類を7月から500~900円で販売している。
竹川さんはJR阪和線鶴ケ丘駅前で「飲み処 知夫里島」を経営。コロナが流行し、大阪府のまん延防止要請があった時期に「何もすることがなく暇だったので、土産物に置いたらにぎやかになるかなと思い、動画を参考に作った」という。粘土で型を取ったプラスチック製で、細かな塗装を施した。
今年7月、3年ぶりに帰省した際に売店を管理する知夫里島観光協会にフィギュアを預けた。協会の小西秀人事務局長は「若い観光客や出身者の目を引き、フィギュアをきっかけに会話が生まれる」と喜ぶ。竹川さんは「あきさせないように新作を作る」と張り切っている。