埼玉県内にあるマクドナルドに、スマートフォンも除菌できる「手洗い場」がある。トイレとは別に設置された手洗い専用の機械。スマホを投入する穴に入れると、殺菌作用のある深紫外線を照射して約30秒で除菌してくれる機能で、利用客からは「手とともにスマホも洗える時代」と驚きの声が上がっている。
設置されているのは、今年4月にオープンした埼玉県のマクドナルド浦和美園店。手洗い場は2階にある。ドラム缶のような形で、サイズは高さ約1メートル60センチ、幅約70センチ、奥行き約60センチ。水栓の右側にある細長い穴にスマホを置くと、吸い込まれるように中へ。ふたが閉じると水色の蛍光色がきらめき、約30秒で除菌してくれる仕組みだ。
手洗い場の設置は、店長が新店舗の立ち上げる時、「トイレのほかに手の洗えるところをつくってほしい」と依頼したのがきっかけという。マクドナルドの商品は手で食べるものが多く、よく客から「手を洗えるところありますか?」「おしぼりもらえますか?」と聞かれた。特に、以前勤務していた店舗は施設のフードコート内にあり、トイレまでが遠かった。そこで新規店舗を任された際には、声を上げようと決めていたという。
導入した機械は、生活排水を再生処理する技術を開発したWOTA社(東京都中央区)の手洗いスタンド「WOSH」。同社のホームページによると、ろ過、塩素系消毒剤の投入、紫外線照射の3段階で水を再生処理する機能を搭載。使用した水の98%以上をタンク内で循環して除菌でき、水道のない場所にも設置できるのが特徴だ。米ダコタ大学の調査で、1日に何度も手で触るスマホには、便器の18倍の菌が付着しているとの研究もあり、スマホの除菌機能も導入したという。
確かに、洗ったばかりの手でスマホを触ってしまうことは多い…! 手とともにスマホも除菌すること。意外な盲点だった。
マクドナルド本社によると、手洗い場は埼玉県の浦和美園店と東京都の有楽町ビルヂング店に設置。現在はテスト期間中という。