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現役保育士の約8割が「園長の仕事に就きたくない」…「責任が重く自分には無理」「管理業務に興味がない」

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保育士のみなさんは自身のキャリアについてどのような意識を持っているのでしょうか。全国の現役保育士の男女106人に調査をしたところ、約8割の人が「園長の仕事に就きたくない」と回答しました。また、園長の仕事に就きたくない理由については、「責任が重く自分には無理だと思うから」「管理業務に興味がないから」などに回答が集まったそうです。

保育研究プロジェクト『子ねくとラボ』を運営する株式会社明日香が「保育士のキャリアに関する意識調査」と題して2022年10月に実施した調査です。

まず、「園長の仕事に対して、どのようなイメージを持っていますか」と聞いたところ、「責任が大きい」(84.0%)が最多に。次いで、「マネジメント力が求められる」(50.9%)、「保育士歴が長い人が就く」(49.1%)という結果になりました。

続いて、「園長の仕事に就きたいと思っていますか」と聞いたところ、「あまりそう思わない」(29.2%)と「全くそう思わない」(51.9%)を合わせて81.%の人が「園長の仕事に就きたいと思わない」と回答。

また、「園長の仕事に就きたくない理由」については、「責任が重く自分には無理だと思うから」(73.3%)、「管理業務に興味がないから」(52.3%)、「子どもたちとの関わりが少なくなってしまうから」(46.5%)などが挙げられたそうです。

次に、「理想となる保育士や尊敬する先輩がいますか」と聞いたところ70.7%の人が「理想となる保育士や尊敬する先輩がいる」と回答。また、「自身が将来なりたい『保育士像』を思い描くことができているか」については、「非常にできている」(18.0%)と「ややできている」(50.0%)を合わせて約7割の人が「思い描くことができている」と回答したそうです。

「将来なりたい『保育士像』を思い描くことができている」と回答した72人に「どのような『保育士像』を思い描いていますか」と聞いたところ「子どもの発達、気持ちに寄り添える保育士」(86.1%)、「保護者からの信頼が厚い保育士」(70.8%)、「子どもの自発性を育てられる保育士」(68.1%)といった回答が上位に並んだほか、以下のようなコメントが寄せられました。

▽常に子どものことを考え、職員のことも考える自園の園長のような人(27歳)
▽同僚から慕われる保育士、発想力豊かでユニークな保育をできる保育士(40歳)
▽子どもの気持ちにより添って、子どもがのびのびと成長できる手助けができる保育士(37歳)
▽子ども一人一人に丁寧に関わりながらも、全体をまとめられる保育士(23歳)
▽保護者からの信頼も厚く、また子どもと楽しく遊んでいることはもちろんのこと自分自身も楽しみ輝いている保育士(30歳)
▽感受性豊かで、子どもと同じ目線で経験を共有できる保育士(29歳)
▽現代に合った保育をする。子どもが子どもらしく本来の姿で過ごせるような環境を作る(31歳)

全回答者に「保育士として、キャリアにおける具体的な目標を設定できていますか」と聞いたところ、「非常にできている」(9.4%)「ややできている」(41.5%)、「あまりできていない」(36.8%)、「全くできていない」(10.4%)となり、目標を設定できている人と、設定できていない人がほぼ半々に分かれる結果となりました。

また、「目標を設定できていない」と回答した50人に理由を聞いたところ、「普段の業務の中で、具体的な目標を意識することが難しいから」(42.0%)、「具体的な目標を考えたことがなかったから」「何を目標におけば良いかわからないから」(いずれも30.0%)といった回答が上位に並んだほか、「持ち帰らなければ終わらない書類に家事育児で、それどころではない(33歳)」「今の職場には長く居たくないから(25歳)」「自分の意欲と人事が合わないから(44歳)」「業界に将来性を感じないから(30歳)」といった声も寄せられたといいます。

一方、「目標を設定できている」回答した54人に「保育士の仕事において、どのような目標を設定していますか」と聞いたところ、「20年後までに園長の職に就くか、園を自分で経営する(37歳)」「フリーとして保育全般に関わった仕事をする。手作りの良さを後輩にも伝えて行きたい(56歳)」「子ども、保護者共に信頼関係をしっかりと築き、保育園自体も風通しの良い環境をつくること(31歳)」「業務以外に活かせる資格取得をする(43歳)」「保育士としての成長もですが、立場も上になることで給料も上げて生活水準を上げたい(27歳)」といったコメントが寄せられたそうです。

   ◇  ◇

調査を実施した同社は「園長や管理職に昇格することだけが、保育士のキャリア形成ではありませんが、保育士として、なりたい保育士像がキャリアには結びついていないことは、保育士という仕事自体の評価制度や給与体系にまだまだ改善の余地があるのかもしれません」と述べています。

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【出典】
▽子ねくとラボ
https://konnect-labo.jp/

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