シェパードのような凛々しい見た目だけど…好きな犬にフラれるとシュンとする保護犬、ギャップにキュン

松田 義人 松田 義人

 

広島にある行き場のない犬の保護・譲渡活動を行うピースワンコ・ジャパン(ピースワンコ)。同団体には今日も数多くの保護犬が引き出され、一頭ごとの性格、健康状態などに合わせて、トレーニングなどを行い、その命に寄り添ってくれる里親さんへの譲渡活動を行なっています。

そのうちの一頭となる、凛々しくかわいいワンコを見つけました。ミネアちゃんという元野犬のメス犬です。

同じケージで暮らしていた恋人犬との別れを悲しむ

 

ミネアちゃんは2019年に同団体が引き取ったワンコで、しばらく広島本部の犬舎でトレーニングをしていました。元野犬ですが、人間をさほど怖がらず、触られることも平気。見た目こそシェパードのような凛々しいルックスですが、マイペースでおっとりしたワンコです。人間が何かを手にすると、「それ何?」とすすんで寄ってくるようなところもあり、好奇心旺盛な一面もあります。

そんな穏やかなミネアちゃんですが、同じワンコと遊びたがることが多く、一時施設にいた南蛮くんというオスのワンコと同じケージで暮らしていました。

 

ミネアちゃんと南蛮くんの様子は恋人か兄弟のようにも映り、スタッフも微笑ましく見ていました。しかし、やがて南蛮くんは、ミネアちゃんに先立ち新しい里親さんが見つかり、施設を卒業していきました。

「南蛮くんがいれば安心」と思っていたミネアちゃんはそれ以来、寂しくて鳴くようになってしまいました。スタッフは「シェルターだと、常に他のワンコと一緒にいるので、ミネアちゃんは自分だけになると、たちまち不安になるような寂しがり屋さんのようです」と言います。

「遊ぼう」アピールを拒まれると、シュンとする場面も

ミネアちゃんにとっての南蛮くんとの別れは今もトラウマのようで、別の仲間のワンコがお散歩に出かけると、「もう戻ってこないんじゃないか」と、その度に鳴きわめくようにもなりました。しかし、目当てのワンコがお散歩から戻ってくると安心した様子で、この繰り返しを学び、今ではかつてのように鳴きわめくことはなくなりました。

また、ミネアちゃんは別のワンコにも「遊ぼう」アピールがすごく、ときにプロレスを仕掛けることもあります。そういう場面で、嫌がるワンコが「痛いからヤメて!」と吠えてガウッと拒むと、シュンとして後退りする一面もあります。

 

寂しがりやだが、理解力があり乗り越えていく様子も 

 

このように、凛々しい見た目からは想像できないガラスのハートを持つミネアちゃんですが、それこそがミネアちゃんのかわいらしい個性です。また、スタッフは前述の「別の仲間のワンコ」とのコミュニケーションも何回か繰り返すうちに、ミネアちゃん自身が学び、乗り越えていく様子からも理解力があり、頭が良く頼もしいワンコだとも言います。

現在、ミネアちゃんは、新しい里親さん候補と相談中とのことですが、ここに至るまでは同団体のトレーニングスタッフ、譲渡スタッフ双方の愛情があってこそ、実現につながるものだと思います。

スタッフは長年の経験から、そのワンコの性格、健康状態、バックボーン、コミュニケーション術が全く違う一頭一頭を大切に、最適の里親さんを判断した上で譲渡を行なっています。今回ご紹介したミネアちゃんはもちろん、一頭一頭、第二の犬生が楽しく幸せになることを願い、ホスピタリティ溢れる活動を続けています。今後の活動の動向にも注目してくださいね。

ピースワンコ・ジャパン https://peace-wanko.jp/

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース