畑近くのダンボールに捨てられていた子猫 息子の「猫が飼いたい」発言で家族に 18歳の今も、子猫の頃と変わらぬ可愛らしさに夢中

渡辺 陽 渡辺 陽

ビニールハウスの入り口に捨てられていた子猫たち

マロンちゃん(オス・18歳)は、奈良県の椎茸栽培用のビニールハウスの入り口にダンボールに入れて捨てられていた。ダンボールの中には、兄弟合わせて5匹入っていた。保護された後、猫の保護活動をしているUさんの知り合いに預けられたという。

大阪府に住むTさんは、子供の頃、幼稚園まで猫と一緒に暮らしてきた大の猫好き。小学校の卒業文集に、「猫の孤児院を作りたい」と書いたほどだった。2004年の秋、小学生の次男がよその人が外猫として飼っていたシロちゃんという猫と仲良くなり、「猫を飼いたい」と言い出した。Tさんは、一度は「賃貸住宅なので無理だ」と言ったが、次男が「大家さんに聞いてほしい」と食い下がったので、尋ねてみることにした。すると、思いのほか大家さんが「飼ってもいい」と言ってくれたので、猫を迎えることにしたそうだ。

猫って、どこで譲渡してもらえばいいの?

Tさんは、猫を飼うことにしたが、どのように譲渡してもらえばいいのか分からなかった。当時はまだ里親とか保護猫という言葉さえ、あまり知られていなかったのだ。

Tさんは、ペットショップで買うというのは違うと思ったので、周りの友人たちに聞いてみた。市役所で譲渡してくれるらしいと聞いたので市役所に電話すると、「(譲渡は)保健所がやっている」と言われた。そこで、保健所に連絡してみると、「うちで譲渡するのは健康な子犬だけ。でも、個人で保護活動している」と、Uさんを紹介してもらったという。

可愛すぎて写真を撮るのを忘れた

次男と一緒にUさんにマロンちゃんたちの写真を見せてもらい、2004年11月17日、トライアルがスタートした。

「当日、Uさんはオスメス1匹ずつ連れてこられて、『2匹一緒にどうですか』と言われたのですが、流石にいきなり2匹は無理だと断り、次男がオスの子猫、マロンを選びました」

マロンちゃんはとにかく可愛くて、Tさんは写真を撮るのをすっかり忘れていたという。なので、子猫時代のマロンちゃんの写真はほとんどない。

マロンちゃんはおおらかで、野良猫にも友達のように寄っていく。作業服を着た業者の人の後ろで作業している姿を眺めるのが好き。今は、歳のせいか少々頑固で気難しくなったという。

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