大型で強い台風11号の影響で、沖縄地方では潮位が高くなっています。午後の満潮時には高潮の危険が高まりますので、海岸や河口付近の低い土地では、高潮による浸水や冠水に十分注意してください。
台風の吸い上げ効果が潮位にも表れる
台風など発達した低気圧は、中心付近の気圧が低いので、水面が吸い上げられる効果があります。これを「吸い上げ効果」と呼びます。強い風も重なることによって海水が海岸に吹き寄せられ、高潮が発生することがあります。
午前11時現在、大型で強い台風第11号は、宮古島の北北西約180キロを1時間におよそ15キロの速さで北へ進んでいるとみられます。中心の気圧が950ヘクトパスカルと発達しています。1ヘクトパスカル低くなると1センチ水位が上昇するともいわれています。通常が1000ヘクトパスカルと考えると50センチも水位が上昇することになります。
図を見ていただくと石垣市では台風の中心が一番近づいた、きょう未明ごろに、オレンジ色の線の天文潮位(平常時)より青色の線の実際の潮位が大体50センチほど高くなっていることがわかります。
台風の影響が続く沖縄地方や奄美地方では、このあと13時頃から15時頃にかけて、満潮を迎えます。満潮の時刻には水位がさらに上昇し、沿岸部周辺の低い土地などに浸水の恐れがあります。海岸や河口付近の低い土地では、高潮による浸水や冠水に十分注意してください。
高潮のしくみ
高潮は、台風や発達した低気圧などによって発生します。高潮が発生する仕組みには「吸い上げ効果」と「吹き寄せ効果」があります。
■吸い上げ効果
台風などにより、気圧が大きく低下すると、1ヘクトパスカルあたり海面を1㎝吸い上げる力が働きます。これを「吸い上げ効果」といいます。
■吹き寄せ効果
台風などによる強風が海側から陸地に吹いたとき、海水が海岸に吹き寄せられて海面水位が上昇します。これを「吹き寄せ効果」といいます。この効果は、風速が2倍になると4倍の海面上昇をもたらします。また、遠浅の海や湾の地形によっては、さらに海面水位が高くなる場合があります。
危険な場所には近づかない
「海岸付近の低地」「遠浅の海底」「湾奥部や河口部」は特に危険ですので注意しましょう。それ以外の所でもハザードマップで危険な所を確認しておくようにしましょう。
また、テレビやラジオ、インターネットなどで、気象庁が発表する注意報や警報、自治体が出す避難情報を随時確認しましょう。
風の情報にも注意しましょう。台風等の接近時には、高潮警報が発表されていなくても、暴風警報が発表された時点で避難を開始する必要があります。
夜間~早朝に予想最高潮位(予想される高潮の高さ)に達することもあります。最新の情報を入手し、暗くなる前に避難を完了できるようにしましょう。