切り絵を光に透かしたら…いきなり現れた美しい世界に感動 「うっわって声出た。すげぇ」

太田 浩子 太田 浩子

 「切り絵って光に透かすとめちゃくちゃ綺麗なんですよね」という動画がツイッターに投稿されました。砂のようにも見える無数に穴が空いたA3サイズの黒い紙を持ち上げて光に透かすと…想像を超える繊細で美しい切り絵が現れる動画に、びっくりして声が出てしまう人が続出。切り絵を制作した「切り絵作家 斉藤洋樹 -Hiroki Saito-(@kiriehiro)さんに、詳しいお話を聞きました。

 動画の作品のタイトルは【君と蒼と。】。植物に覆われた池にかかる橋を望む景色が描かれた蒼世界は、細かい葉の1枚1枚が切り出され幻想的に輝きます。

 光を透かす前の画像からの驚きの展開に「最初何だこの汚ねぇのとか思ってすみませんでした」「まるで紙に魔法をかけたみたい!感嘆の声をあげました。」「うっわって声出た。すげぇ」「光が差した瞬間、美しすぎて息を呑みました。」と、何回も見てしまうと動画は203.7万回も再生されています。

「凄い技術ですね👏」
「これは...すごすぎます...!!月夜にも見えますし、涼し気な木が生い茂っている夏の太陽にも見えますし、この作品だけでいろいろな世界が見れることに感動しています🥺💕」
「本物が見てみたいです!」
「とんでもない集中力と、月日と、気力を尽くしたんだと思う。すっっっごい。」
「うわ〜っ❣️綺麗🤩 心が震えました」
「切り絵ってなんだっけ?って思ったくらい感動した」
動画の展開に驚くだけでなく、作品の素晴らしさにも多くのコメントが寄せられました。

 斉藤さんは、自身で撮影した写真をもとに切り絵を制作しています。制作年は2019年です。作品について斉藤さんに聞きました。

──息を呑む動画のツイートに、10.6万を超える「いいね」がつきました。

 私の作品がきっかけで切り絵の世界を知っていただける方が増えて嬉しいです。

──とても細かいカットですが、こちらの作品の制作時間はどのくらいなのですか?

 1日の制作時間はだいたい4時間〜14時間ほどで、4カ月〜4カ月半程でした。

──1日に14時間も作業できるとはスゴイですね。カラーの部分はセロファンなのでしょうか?

 はい。カラーセロファンを使用しております。

──葉の1枚1枚にセロファンを?

 同じ色の箇所を一気にカッティングをして裏からカッティングした部分全体にカラーセロファンを貼るを繰り返して着色しています。

──なるほど。セロファンを貼った作品は、通常はどのように展示されるのですか?

 A.BOXフレームという奥行のある額の中に照明を仕込んで展示しております。

──光を透かしたまま展示できるのですね。切り絵を始められてどのくらいなのでしょう?

 切り絵歴自体は約10年ほどです。最初、高校の授業で大まかな作り方は教わって、それ以外は全て独学です。

──8年前と現在の作品を比較されていました。8年前の作品も素敵ですが、細かさや世界観のようなものが異なりますね。どんなことにこだわられて作られているのですか?

 実際にある風景なのでリアルさだったり、その風景を見て感じた感情などを込めて制作するのがこだわりです。

──斉藤さんにとって切り絵の魅力とは?

 制作する人によって雰囲気だったり世界感が全然違うので、その点が魅力だと思います。

【切り絵作家 斉藤洋樹さんのプロフィール】
1993年4月1日生まれ。長野県長野市出身。高校生のとき授業がきっかけで切り絵と出会う。以降独学で切り絵制作を続け2014年12月に切り絵作家として活動を始める。

◇斉藤洋樹さんの今後の作品展示予定
・9月18日〜29日「第二回はじまり」モンネポルト(長崎県波佐見町)
・10月15日〜30日「濃黒切り絵展」アトリエキプリス(大阪府大阪市)
・10月21日〜24日「グループ展 僕らの世界展#7」デザインフェスタギャラリーEAST2F(東京都原宿)
・11月19・20日「デザインフェスタvol.56」東京ビッグサイト(東京都江東区)

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