仕事のストレスが招く“健康リスク” 業種別ランキング上位は「医療・福祉」「運輸業・郵便業」

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株式会社ドクタートラストのストレスチェック研究所は、仕事のストレス要因から起こり得る健康リスクの業種別ランキングを発表しました。2021年度にストレスチェックの実施を受託した940の企業・団体における32万4642人分の集団分析データをもとにしたもので、総合的に最も健康リスクが高い業種は「医療、福祉」「運輸業、郵便業」だったそうです。

「健康リスク」は、仕事のストレス要因から起こり得る疾病休業などの健康問題のリスクを、標準集団の平均を「100」として示したもの。たとえば、健康リスクが「120」の集団は、健康問題が起きる可能性が、平均より「20%多い」ことになるそうです。「仕事の負担・コントロール」に関係するリスクと、「上司・同僚とのコミュニケーション」に関係するリスクをかけ合わせて算出しているといいます。

健康リスクを業種別に算出した「業種別・健康リスク総合ランキング」を見ると、健康リスクが最も不良となった業種は「医療、福祉」(107)で、「運輸業、郵便業」(106)、「製造業」(105)と続きました。「医療、福祉」と「運輸業、郵便業」に大きなポイント差はみられなかったものの、「医療、福祉」は仕事の負担・コントロール面で、「運輸業、郵便業」はコミュニケーション面で高いストレス負荷がかかっていたといいます。また3位の「製造業」は、仕事の負担・コントロール面、コミュニケーション面の双方で高いストレス負荷がかかっていることが判明したそうです。

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また、総合健康リスクを算出するうえで必要な4つのリスク要素「仕事の負担」「仕事のコントロール」「上司とのコミュニケーション」「同僚とのコミュニケーション」それぞれについて、業種ごとの数値をまとめています。

 

 「非常にたくさんの仕事をしなければならない」「時間内に仕事が処理しきれない」「一生懸命働かなければならない」といった質問への回答から導出された、「仕事の負担」リスクが高い業種は、1位「教育、学習支援業」、2位「宿泊業、飲食サービス業」、3位「卸売業、小売業」という結果に。

また、「自分のペースで仕事ができる」「自分で仕事の順番・やり方を決めることができる」「職場の仕事の方針に自分の意見を反映できる」といった質問への回答から導出された、「仕事のコントロール」リスクが高い業種は、1位「医療、福祉」、2位「運輸業、郵便業」、3位「電気・ガス・熱供給・水道業」となったそうです。

続いて、「上司とのコミュニケーション」リスクが高いのは、1位「運輸業、郵便業」、2位「製造業」、3位「医療、福祉」。また「同僚とのコミュニケーション」リスクが高いのは1位「運輸業、郵便業」、2位「製造業」、3位「学術研究、専門・技術サービス業」となったそうです。

なお、これら4つのリスク項目について、2021年度と2020年度と比較したところ、もっとも差が大きく表れたのは、「仕事の負担」リスクで、悪化率が最も大きかったのは「金融業、保険業」(0.51ポイント悪化)だったといいます。

同社は「(コロナ禍の影響もあり)『金融業、保険業』では取引先企業への資金繰りの業務が増加したことや、業績が悪化した事業者・企業に対する相談(事業戦略・経営企画・販路開拓など)を行う機会も増えていることから、2020年度よりも仕事量に対するストレス負荷がかかっているのではないかと考えられます」と説明しています。

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