飼い主が保健所に連れてきた猫
ことらくん(7歳・オス)は、アメリカンショートヘアとスコティッシュフォールドのミックス猫だ。もともと誰かが飼っていたが、その人が横浜市の保健所に持ち込んだという。保健所からは保護団体が引き出した。エイズキャリアだったので、外に出されていたのではないかということだった。
東京都に住むKさん夫妻は、子どもができなくて悩んでいた。気分が落ち込むことが多く、そうした毎日を変えたくて猫を飼ってみることにしたそうだ。
「いきなり飼うのも自信がなかったので、まずは預かりボランティアをしてみることにしたんです。2018年3月14日にやってきたのがことらでした。3歳くらいだったのですが、とても人懐っこくて、この子がなぜ保健所に持ち込まれたのか理解に苦しみます」
ことらくんを迎え、子どもも授かる
2018年4月14日、Kさん夫妻はことらくんを正式に譲渡してもらった。愛着が湧いて、手放すことができなくなったという。ことらくんは、最初は環境の変化によるストレスで体調を崩すことがあったのでたびたび病院に行ったが、じきに落ち着いた。
「人懐っこくて穏やかな子です。怒ってシャーと言うところは一度も見たことがありません。甘えて喉を鳴らすときは、なぜかよだれを垂らします」
子どもがなかなかできなかったKさん夫妻だが、ことらくんを迎えた翌月妊娠。第1子が誕生したという。
「偶然だとは思いますが、我が家ではことらのおかげということになっています(笑)。暗かった我が家にことらが来て、一気に明るくなったことは間違いありません」
うちに来て幸せ?
Kさんにとってことらくんは癒しの存在。育児でイライラした時など、寝そべっていることらくんのお腹に顔を埋めて気持ちを落ち着かせているそうだ。
ことらくんはブラッシングしてもらうのが好きで、毎晩子どもたちが寝た後に「ブラッシングして」と催促してくるという。
「3歳で我が家に来るまで、たくさん大変なことがあったと思います。どう思っているのか分かりませんが、うちに来て幸せだと思ってくれていたら嬉しいです」