エマちゃん(1歳・メス)は、2021年5月に保護された。生後約3週齢。4匹兄妹で、エマちゃんの他、黒猫の男の子が2匹と茶トラの男の子が1匹いたという。子猫たちは地域のボランティアから他のボランティアに保護依頼があったのだが、その人は子猫の預かりはしていなかったので、エマちゃんは「ねこの保育園」に託された。
4兄妹の母猫はいなかった。ねこの保育園によると、母猫のいない子猫は、母猫の代わりに互いを吸い合うことがあるそうだ。そのためエマちゃんのお腹はいつも濡れていた。兄猫たちは里親が決まったが、エマちゃんは残ってしまった。しかし、エマちゃんは他の保護猫たちとも仲良く暮らし、人懐っこかったという。
賢くて大人しいサビ猫がいい!
大阪府に住む大久保さんは幼い頃、祖父母が猫を飼っていたので、なんとなく「大人になったら猫を飼いたい」と思っていた。結婚を機に夫と「猫を飼いたい」と話していた。しかし当時、賃貸マンションに住んでいたこともあり、なかなか話が現実味を帯びてこなかった。ところが、マンションの管理会社とオーナーの間でトラブルが発生し、「長くはこの家に住めない」ということになり、「引っ越すなら猫を飼える家に。それなら家を買おう」ということになった。
「マンションを買ったのですが、せっかくの新築だから壁紙やソファ、カーテンをボロボロにされるのも困る。人間が使って汚れてきた頃に飼おうということになったんです」
ところが、いつか迎える猫のために猫の爪が引っかかりにくいソファを買ってから、「早く猫が欲しい!」と思うようになり、インスタグラムで保護猫を探したという。猫の品種にこだわりがなく、会社の先輩に「ペットショップで買うな」と言われていたことが影響した。
いろんな子猫がいたが、まず目に留まったのがエマちゃんだった。
「唯一無二の柄で、ヨーロッパでは幸せを運ぶ猫として人気の猫だと知り、『迎えるならサビ猫がいい』と、夫に猛アピールしました」
エマがいるから早く帰ろう
夫婦共働きなのでエマちゃんは留守番をしていることが多いが、帰宅するととても喜んでくれるという。
「お留守番させるのが申し訳なくて、私たちは外食するのが好きなんですが、『エマがいるから早く帰ろう』と、いそいそと帰宅することが増えました。エマは家族の一員ですが、私たちには子供がいないので、まるで我が子のように可愛がっています」
エマちゃんは夫婦の使い分けをするという。大久保さんは遊び相手と一緒に寝るための人。夫はエマちゃんの座布団担当だという。
「私の膝には滅多に乗らないので、主人の膝でくつろいでいる姿を見ると羨ましいです。逆に、主人は、私と全力で遊ぶエマや一緒に布団で寝ているエマを見て嫉妬しています(笑)」