マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の最新作「ソー:ラブ&サンダー」が7月8日から公開されるのを前に、映画に登場するハンマー「ムジョルニア」にインスパイアされた本物のハンマーが、“モノづくりのまち”東大阪で誕生した。作ったのは、工業用ハンマーの世界ではシェア7割を占めるというハンマー界のマイティ・ソーこと「オーエッチ工業」。映画さながらのリアルな装飾は、樹脂・軽金属のデザインモデル製作を得意とする同じ東大阪の「大成モナック」が手掛けた。7月1日から31日まで、大阪・梅田の商業施設「HEP FIVE」で展示される。
ムジョルニアは、雷神ソーの武器。これを使えば空を飛ぶことができ、雷と稲妻を自在に操ることもできる。
「楽しみながら面白いことをしたい」
「コロナ禍やウクライナ情勢で、不安定な情勢が続いています。でもこんなときだからこそ、楽しみながら面白いことをしたいと思うようになりました」
オーエッチ工業の常務取締役、清水成道さんはそう話す。そこで目をつけたのが、清水さん自身が以前から大好きだったソーのムジョルニア。本業がハンマー製造なだけに、本格的なファンアートを実現できるのではないかと考えたという。
1カ月ほどかけて完成したのは、片手で持つには重すぎる総重量約13kgの超ヘビー級ハンマー。ヘッド部分は炭素鋼、柄にはカシの木を使っている。前作「マイティ・ソー:バトルロイヤル」で死の女神ヘラによって粉々に破壊されてしまった設定を踏まえ、大成モナックがひび割れの装飾を施している。名づけて「なにわのムジョルニア」だ。
プロだから…実用性を重視しました
「我々はハンマーのプロなので、人間でも扱えるよう重心などの“実用性”も重視して、本物のムジョルニアとは少し形を変えています」と清水さん。「映画だと、ヘッド部分は立方体に近い形状をしていますが、あれだと実用では叩くのに不向きなんですよ」。…実用とは(笑)。
とはいえ「なにわのムジョルニア」はかなり重いので、物語の設定同様、選ばれし者(=力のある人)でなければ扱うことはかなり難しい。清水さんは「本当は実際に持ち上げてその重量感を味わってみていただきたいのですが、感染防止などの観点から今回は展示のみです」と残念がる。
実は大半の社員から「冷めた目」で見られながらの企画だったというが、清水さんは「取引先などからの反応は上々。自分たちが大切にしてきた技術力を、こんな形で生かすことができるんだという発見もありました」と楽しソーに振り返る。
「なにわのムジョルニア」は7月1日から7月31日まで、HEP FIVEの1階にあるMARVEL POP UP STOREで展示。
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【「ソー:ラブ&サンダー」作品紹介】
アベンジャーズBIG3最後の1人、破天荒な雷神ソーの集大成。
「アベンジャーズ/エンドゲーム」の激闘後、ソーは多くの仲間を失い、戦いを避けるようにガーディアンズと地球を後にしていた。自分探し中の彼に、全宇宙の神々滅亡を誓う“神殺し”のゴアが襲い掛かる。絶体絶命のそのとき、ソー以上の力を持つ新たな“マイティ・ソー”に姿を変えた元恋人のジェーンが現れた!
この夏、2人のソーがシリーズ最大の脅威ゴアに立ち向かう、破壊力2倍のロック・バトル・アドベンチャーが開幕する。
「ソー:ラブ&サンダー」は7月8日(金)、全国公開。