更年期だと思っていたら…病院で「死にますよ」と言われびっくり まさかの「睡眠時無呼吸症候群」

長岡 杏果 長岡 杏果

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が止まってしまう病気です。睡眠中に呼吸停止を繰り返すため、深い睡眠が取れなくなり、日中強い眠気に襲われてしまいます。日本では200~400万人の方が発症しているといわれています。ナオミさん(40代・主婦)は、重度の睡眠時無呼吸症候群と診断された一人です。

――睡眠時無呼吸症候群の自覚はありましたか?

自覚はありませんでした。寝ていると子どもによく「お母さん息をしていない」と起こされることがありましたが、気にも留めず過ごしていました。ただ、夜中になると1時間に1回トイレで目が覚めたり、息苦しさや激しい動悸で突然目が覚めることがありました。朝はまったく起きられない、疲れがとれない、非常にだるい、日中は気がつくと寝ていることが多かったので、更年期による体調不良だと思っていました。

――病院に行かれて「睡眠時無呼吸症候群」だと分かったのですね。

かかりつけの耳鼻咽喉科の先生に息が止まっていると話したところ、問診後に簡易検査をしましょうと、すぐに機械を貸し出してくれました。検査は2日間、就寝前に指と鼻に機械を装着して寝るだけというものでした。装着はとても簡単なので5分もあればできました。あとは先生が検査結果を解析してくれるとても簡単な検査です。

病院によっては入院をして検査をするところや、業者から検査キットが自宅に直送されたりさまざまのようです。

――検査を受けられてみて、結果はいかがでしたか。

先生の第一声が「死にますよ」でした。「ナオミさんは重度の睡眠時無呼吸症候群です。このままだと死にます。今から治療をはじめましょう」と言われました。

もしかして今までのだるさはそのせいですか?と尋ねたところ「恐らくそうだと思います。『CPAP治療』をはじめたら改善されると思いますよ」と教えてくれました。

私の検査結果は1時間に呼吸停止が40回以上、血中酸素飽和度が70%(通常は95%から100%)、低呼吸・呼吸停止時間が最長4分でした。

――CPAP治療とはどのような治療ですか?

CPAP治療とは、鼻に装着したマスクから送り込んだ空気の圧で空気の通り道を確保する治療をいいます。「Continuous Positive Airway Pressure(持続陽圧呼吸)」の頭文字をとってCPAP(シーパップ)と呼ばれています。

治療を開始して3カ月になりますが、ようやく装置をうまく使えるようになってきました。

初日は業者の方が自宅に来てCPAPの使い方をとても丁寧に教えてくれました。業者の方いわく「まずはテレビを見ながら5分装着の練習をしましょう」と、無理のない範囲で練習することを勧められました。最初はまったく使うことができなくて、昼間に5分使用するのが精一杯でしたが、今は6時間ほど装着して眠れるようになり、CPAPを開始してからは夜中の動悸や息苦しさで起きることはなくなりました。

CPAPは耳に圧力がかかるので朝起きると耳が詰まったり、耳鳴りがするのでつらいですが、それでも以前より体はラクになっています。呼吸停止回数も1時間あたり2回程度と劇的に減っています。

心当たりのある方は医師に相談を

1時間あたり10秒以上の呼吸停止が20回以上出現する中等症以上の睡眠時無呼吸症候群を8年間放置すると死亡率が約37%にもなるそうです。呼吸が止まると血圧が急上昇したり、高血圧・糖尿病・心筋梗塞・不整脈・脳梗塞など命にかかわる病気が生じることがあるので、呼吸停止を指摘されている方や、心当たりがある方は早めにかかりつけ医に相談することをおすすめします。

また、ネット上でも「睡眠時無呼吸症候群チェック」で検索をすると簡易セルフチェックができるので試してみるといいでしょう。

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