「当院スタッフはポケットに子猫を入れる習性があります」というつぶやきと共に、スペイクリニック北九州さん(@Spaykitaq)がツイッターに投稿した2枚の写真が話題です。そこに写っていたのは、動物病院のスタッフさんの胸ポケットのなかからひょっこり顔を出している、生まれたばかりの小さな子猫……が、安心して眠る可愛い姿!投稿者のスペイクリニック北九州さんにお話を聞きました。
ポケットのなかにニャンコ♪
「おんぶヒモみたいなものですね(笑)」「ポケットをなでるとニャンコがひとり、もひとつなでるとニャンコがふたり」「も~、めちゃ仕事頑張れそう」「あああその子猫が湧く制服をくださぁぁいぃ」と、その可愛らしさに悶絶するリプライが殺到したのは、スペイクリニック北九州さんで保護されている、生後1カ月弱の子猫の男の子、はくしゅうくん。はくしゅうくんを胸ポケットに入れていたのは、もともと保護猫のボランティアさんだったという、筋金入りの猫好き看護師さんです。
スペイクリニック北九州さんは、保健所からの引き取りもされている、福岡県北九州市にある野良猫避妊去勢手術専門病院。これまで多くの野良猫の避妊去勢手術を行ない、保護した子猫を里親さんに譲渡されています。「野良猫が増えると、生まれた子猫たちは暑さ・飢え・乾きにさらされ、ほとんどが死んでいきます。不妊化することにより、不幸な死に方をする子を新たに生み出さずにすみます」(スペイクリニック北九州さん)
不幸な野良猫を増やさないため、日々奮闘するクリニックのスタッフさんたち。そのポケットに詰まった「可愛い習性」について、スペイクリニック北九州の代表者さんにお話を伺いました。
危ないので子猫をポケるのは「乾かす」間だけなんです
ーーなんともうらやましい「習性」ですね。ポケットに入れるのは子猫が寂しくて鳴くときの対策なのでしょうか?
「うちのスタッフはだいたいみんなポケットに子猫を入れます(笑)。子猫を保護すると、まずはシャンプー→乾かす→ノミ・ダニ駆除薬を付ける、という流れで作業するのですが、複数の子猫がいる場合はこれが流れ作業になります。今回の写真は、洗った子猫をざっと乾かした後、いったんポケットに入れて次の子を乾かす…という作業中に撮影したものです。実はこのとき、胸元と両手の合計3つのポケットに3匹の赤ちゃんが入っていました。ニヤニヤしながらの作業になりますが、子猫の負担にならないようダッシュで作業をします」
ーーポケットはドライルームでしたか!ポケりながらの作業中、子猫たちは寝ているのですか?
「複数の兄妹猫たちをシャンプーする場合はポケりがちですね。温かいので寝る子もいますが、大抵すぐにポケットから出てきてしまうので、そのままスルッと落ちてしまうと怖いので、ポケットに子猫を入れたまま仕事をすることはほとんどありません」
ーー今回ポケットに入っていた「はくしゅう」くんを始め、スペイクリニック北九州さんで保護された子猫はみんな可愛い仮名をつけてもらっていますね。
「基本的に名付けは、その後に預かりをするスタッフが名前をつけます。獣医は『あーちゃん、すーちゃん』など、50音で名前を付けます。『シーズ・カーニ』『オレオ』『ハイジ』など、ビミョーな名前をつけるのは私です(笑)。今回の写真のポケ猫は、兄妹猫と共に保健所からやってきました。くしゃみをしていたのと、柳川から来た子なので、柳川市に所縁のある北原白秋にちなんで、はくしゅうと名付けました」