60歳ベテランシンガーが語るコロナ禍での激動とライブの魅力 「配信よりも…ライブは生で観てもらいたい」

中将 タカノリ 中将 タカノリ

4月26日、神戸市の老舗ライブハウス・チキンジョージでロック歌手の藤原MAXまさのりのライブが開催された。MAXがソロ活動で神戸を訪れるのはこれが初。あいにくの雨だったが、会場には多くのファンが駆け付けた。 

MAXと言えば1980年代初頭、ハードロック、ヘヴィーメタルシーンの旗手と目されたバンド「十二単」のボーカリストとして髪を振り乱しながらステージ狭しと駆け回る姿が印象に残っている。そんな彼も現在60歳。コロナ禍により激動の音楽界にあってベテランシンガー・MAXはどのような想いで活動するのだろうか。ライブ開始直前のバックヤードで本人に話を聞いた。

「コロナ禍で初めの1年は棒に振ってしまいました。周囲を見渡しても、まるで世界が終わるかのような感じ。世間が音楽どころではない状況になるのを目の当たりにし『大変なことになったな』と焦りを感じていました」

MAXの現在の活動はライブが主体。しかし、多くのミュージシャンがインターネットでライブ配信を始めたコロナ禍にあっても彼はその列に積極的には加わらなかった。

「ライブ配信には少し抵抗があります。ロックバンド出身だからでしょうか、やはり生のステージングでないとライブの醍醐味は伝えられないと思ってしまうんです。配信をするよりは、制限があっても生で観てもらいたいと思い、2020年の暮れからソーシャルディスタンスを保ちながらライブを復活させ、少しずつペースを戻してきました」

ライブ配信には慎重なMAXだが、インターネットでの情報発信や表現に興味がないわけではない。

「僕が若い頃は音楽に触れることのできるメディアはテレビかラジオくらいしかなかったけど、現代はインターネットがあるので選択肢が多いですよね。そのこと自体はとてもいいいことだと思っていますし、僕も新曲が出るたびにプロモーションビデオをYouTubeで公開しています」

 「今ウケるにはTikTokで頑張るのがいいかもしれないけど、もう60歳だからね(笑)。大きく展開するチャンスは常に狙っていますが、無理せず自分らしいスタンスで活動したいと思っています」

 今回の神戸でのライブについても思いを語ってくれた。

 「バンドではちょいちょい来る機会があって、ソロでも来たいと思い続けていたんですが、今回チキンジョージのオーナー・児島進さんに声をかけてもらいようやく実現しました。バックのメンバーにあてが無かったので地元のミュージシャンたちを紹介してもらい、さっきリハーサルで音合わせしていました。音楽を通して知り合い、生で交流できる…ライブってやっぱり楽しいですね」

 たたずまいは往時よりも大人び、ステージングも洗練されているが、心には変わらぬ熱いロック魂を抱き続ける藤原MAXまさのり。ダイナミックかつ繊細なハイトーンボイスでロックナンバーだけでなくポップス、バラードまで披露するライブは、誰もの心に響くものがあると思う。音楽ファンにはぜひ注目してもらいたい旬のアーティストだ。

 藤原MAXまさのりプロフィール

大分市金池町出身。1979年、17歳で上京しハードロックバンド「十二単」を結成。ハードロック、ヘヴィーメタルシーンの旗手として注目を集める。1985年、アルバム「AGAIN」でソロデビュー。以後ソロアーティストとして活動するかたわら「ナツメタル」「ASIAN BLACK」等のバンド、ユニットにも参加している。

公式ホームページ:https://max-music-factory.wixsite.com/maxrock/

 「ASIAN BLACK “Feel the Beat”レコ発Tour 2022」

5月21日  浜松 Merry You
5月22日  大阪阿波座 BIG JACK
5月23日  岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
5月24日  神戸 CHICKEN GEORGE
5月25日  名古屋 A sign bar KOZA

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