「ミカヅキユミ(@mikazuki_yumi)」さんがツイートした子どもの頃の体験談が反響を呼んでいます。
「子どもの頃、登校中に父の知り合いが車で通りかかって『学校まで送るから乗っていきな』何となく嫌な感じがして『いえ、歩いていきます』『いいから乗りなって』『嫌です』なんだよ!って顔して去っていった。怖かった。私が断ったことで、私のせいで父の友達が1人減ったらどうしようとも思った。」
「帰宅して、責められるのを覚悟で父に話したら、目を見開いて一瞬黙ったあと『それで正解だよ!乗らなくてよかった!!お前に何もなくてよかった!』と言ってくれた。あの言葉で私の心は傷つかずに済んだんだな、守ってもらったな。って今でも思ってる」
知り合いからのこのような声かけは「本当に親切で言ってくれているのかも。断ったら悪い…」と、子どもは悩みます。それ以前に、自分の周りに怖い人がいると考えられないことも。ミカヅキさんも悩みながら勇気を出して、車に乗ることを断りました。そしてその判断をお父さんが肯定してくれたことで、お父さんが自分の安全を第一に考えてくれること、断ってもよかったのだと思うことができました。ちなみに、そのあとお父さんとその知り合いがどうなったのかは知らないそうです。
ミカヅキさんがこのエピソードをツイートしたのは「ふと幼いころのことを思い出し、顔見知りだからこそ判断に迷うときがあったなぁ…」と思ったからだそう。
リプライには「乗らなくてよかったですね…」というもののほか、「…こんなに犯罪予備軍あるんだ」と驚くほどゾッとする体験談がずらりと並びました。投稿されたさまざまな声かけパターンに「子どもにそういうことも教えておいてあげないといけないと勉強になりました」とコメントが寄せられています。
体験談で多かったものが「車で送ってあげる」と「道を教えて」パターン。なかには言われるままに車に乗ってしまい、無事に送り届けてもらったものの「みなさんのコメ見ていまさら震えてます。良し悪しの判断するのってムズかしいですね。。」というものもありました。
ミカヅキさんも「こんなに多くの方が怖い体験をしていたのか、とびっくりしました。全く知らない人よりも『知っている人』の方が、多方面で気を遣ってしまい、判断が難しくなるように感じました」と驚いています。
また、「『女性が断る』『警戒する』『怖がる』ことは当然の処世術だという認識が広まって欲しいと思う」と、善意で声をかける人も過剰な自衛だと言わずに理解してほしいという願いも投稿されています。
小学校でも最近は「知らない人だけでなく、知っている人にもついて行かない」と教えています。警視庁のホームページにも「いかのおすし」が解説されています。
「いかのおすし」とは、「ついて『いか』ない、車に『の』らない、『お』おごえをだす、『す』ぐにげる、おとなの人に『し』らせる」の被害に遭わないための行動を示した標語です。
たとえば「道案内して」などと言われた場合は「すみません、大人の人に聞いてください」と言う。もし相手が知り合いでも、おうちの人に「いいですよ」と言われていなかったら、一緒に行ってはいけないなどとさまざまな例がイラスト入りで紹介されています。また、子どもに伝えるときは、繰り返し・具体的に伝えることがポイントです。
9歳の息子さんと5歳の娘さんを育てるミカヅキさんも、
「『お母さんの友達の車でも乗らないでね。自衛のために断るのが悪いことだと気を遣う必要はないよ。お母さんが話をしておくから。それでも理解を示してくれない人とは、気が合わないから友達をやめる。私はあなたたちが一番大事!』と日頃から伝えるようにしています。それぞれの年齢やどこまで理解できるかというのもありますし、わかりやすいように伝えていきたいと思いました」と話してくれました。
■ミカヅキユミさんのブログ「背中をポンポン」 https://senaka-ponpon.blog.jp
■警視庁「おやこでまなぼう!『いかのおすし』で毎日安全!」 https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/higai/kodomo/kodomo110.html