ある地方紙で、M-1グランプリ2019王者ミルクボーイへの愛を語る90代の女性からの投稿が相次ぐ、という心温まる珍事が発生している。
「漫才と言えば、『やすきよ(横山やすし・西川きよし)』時代が一番面白かったと思います。最近の漫才には興味を失っていましたが、数年前に『ミルクボーイ』のファンになりました」
そんな書き出しの投稿が神戸新聞の朝刊に載ったのは、4月25日のことだった。投稿主は、91歳の女性「しま子」さん。新聞を広げると真っ先にテレビ欄でミルクボーイの名前を探したり、第57回上方漫才大賞の受賞にうれし涙をこぼしたりと、2人の漫才にすっかり魅了されていることについて万感の思いを込めて綴っていた。
これにはミルクボーイのファンたちも「91歳で大ファンだなんて素敵!」「可愛すぎます」などとTwitterで即座に反応。さらには、コンビのボケ担当である駒場孝さんも「なんという嬉しい記事。ありがとうございます!」とツイートしたほか、2人のラジオ番組でもひとしきり話題になるなど、実はファンの間ではこの投稿がちょっとした“騒ぎ”になっていたようだ。
そして数日後、今度は神戸新聞の「イイミミ」という投稿コーナーに、「ミルクボーイの漫才は品があります」「ぜひあの投稿を本人らに見せたげてほしいわ」という別の91歳の女性からの声が。90代の女性からここまで熱いラブコールを立て続けに送られる漫才コンビが今、彼らの他にいるだろうか?
M-1決勝で誰も見たことのないスタイルの漫才を披露し、圧倒的なネタの強さで史上最高得点での優勝を果たしたミルクボーイ。その後も舞台やテレビ、ラジオなどで活躍しているのは皆さんご存知の通りだが、ファンの幅広さ、愛の深さでも圧倒的な強さを印象づけた格好だ。
イイミミの担当者に聞いてみたところ、ミルクボーイを愛する年配女性たちからの反響は大きく、「自分は売れる前から応援していた」「投稿のことは本人たちもラジオで言っていた」といった電話やファクスが続々と寄せられているらしい(イイミミは電話とファクスで投稿を受け付けるコーナーです)。5月2日付の夕刊には「ミルクボーイがM-1グランプリで優勝したとき、手術前日で入院中だったが、看護師さんが来たことにも気づかないくらい大笑い。リラックスして手術に臨めた」「ネタの目の付け所が、何て面白いんやろ」という62歳の主婦の投稿が登場。担当者も「イイミミは1971年から続く人気コーナーだけど、特定のお笑いコンビがここまで話題になるのはちょっと記憶にない」と驚いていた。
ミルクボーイからコメント到着!
せっかくなので、ミルクボーイの内海崇さんと駒場孝さんに事情を説明し、コメントを寄せていただいた。ちなみに内海さんは神戸新聞がよく読まれている兵庫県姫路市の出身で、91歳の女性がミルクボーイ愛を語る投稿のことは、実家のお母さまがいち早く気づいていたようだ。
◇ ◇
【内海】
こんにちは、角刈り頭の内海崇です!
91歳のしま子さん、この度は嬉しいお言葉をいただきありがとうございます!
僕は小さい頃からおばあちゃん子だったこともあり、幅広い世代の方に喜んでいただけるのがとても励みになります!
これからも楽しみにしてもらえるように、面白い漫才と、角刈り頭を続けていきたいと思います!
応援メッセージなんてなんぼあってもいいですからね!
◇ ◇
【駒場】
元々僕らの漫才は、僕らと同世代か、少し上の方に支持してもらっているなという認識はあったのですが、思ってるよりさらに上の、人生の大先輩の方々からお言葉を頂くのは本当にとても嬉しいですし力になります。
僕自身のおばあちゃんは、M-1で優勝する数年前に亡くなってしまいました。
おばあちゃんが生きている時、僕がほんの少しテレビに出ただけで、ヘルパーさんに「孫がテレビに出てる」と自慢していたそうなんです。
今ならもっと自慢できるのになぁと思うことがよくあります。
こういう嬉しいメッセージをもらうと、そんな自分のおばあちゃんに勝手に重ねさせてもらったりして、もっともっと頑張ろうという気持ちになります。
これからも頑張ります。
ありがとうございます。