2022年4月より、年金制度改正法等の施行により年金制度の一部が改正され、繰下げ受給の上限年齢が引上げられました。これに伴い、働く高年齢層が増えていくと考えられます。「高年齢層の仕事探し」がどのような状況にあるか調査したところ、「70代」をキーワードとした仕事検索数は、この5年間で53.7倍に増加していることがわかったそうです。
求人検索エンジン「Indeed (インディード)」の日本法人であるIndeed Japan株式会社が2017年2月〜2022年2月の過去5年間に、Indeed上で行われた「60代」「70代」のそれぞれのキーワードを含む仕事検索状況を調べたものです。
「70代」をキーワードとした検索数は、2017年2月と比べて2022年同月は53.7倍と、この5年間で大きく増加していたことがわかりました。前年同月比で最も大きく増加したのは2018年11月で6.8倍でした。前年同月との比較においては毎月検索数が伸び続けており、この5年間で70代の仕事探しの需要が急激に高まったことが伺えたといいます。
「60代」をキーワードとした検索数も、「70代」よりは控えめながらも増加傾向がみられ、検索数は2017年2月から2022年同月にかけては7.9倍となっていました。前年同月比で最も検索数が伸びたのは、2019年1月で2.3倍だったそうです。
また、同調査では「年齢が支障となって仕事が見つからない(60代男性)」「はっきり理由は言われていないが、年齢を理由に不採用になったと感じた(60代女性)」「(自分の年齢を対象とした)求人がない(60代男性)」といった声も聞かれたといいます。
なお、2007年10月より、雇用対策法によって、事業主は労働者の募集及び採用について、年齢に関わりなく均等な機会を与えなければならないこととされ、年齢制限の禁止が義務化されました。求人情報で、特定の年齢に制限して人材を募集することは禁止されています。
調査を行った同社は、「高齢であることを理由として仕事がなかなか見つからないと感じた経験から、自分の年代でも採用されやすい仕事をみつけたいと考え、『70代』『60代』といったキーワードで仕事を探す人が増えているものと考えられます。高年齢層の人々の仕事探しにおける課題が示唆されました」と述べています。