NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では、史実としては存在のはっきりしていない八重を源頼朝の前妻として登場させている。そして、源頼朝の正妻北条政子と、前妻八重の激しいバトルも見どころの一つとなっている。
この八重を演じているのが新垣結衣。「新垣(あらかき)」という名字から、なんとなく沖縄の雰囲気を感じている人も多い実際はどうなのだろうか。
「新垣」という名字はメジャーな名字で、全国の9割程が沖縄県にあるという沖縄独特の名字である。沖縄県全域に分布し、「あらかき」「あらがき」両方の読み方が多い。中城間切(現在の中城村)には新垣村という地名があり、古くから新垣氏がいたことが知られている。
ところでこの名字、沖縄県でも糸満市や南城市では「しんがき」と読むことが多い。そのため「新垣(あらかき・あらがき)」が沖縄県の名字ランキングの6位に入っている一方、「新垣(しんがき)」も75位と、ともに上位に入っている。
そして、「新垣(しんがき)」は沖縄以外でも、大阪を中心に各地にみられる。また、東京や神奈川県では「にいがき」もある。これらの名字は、「新しく作った垣のある家」という意味の名字だろう。
全国を合計すると、約8割が「あらかき・あらがき」で、2割弱が「しんがき」、「にいがき」は1%ほど。そして、「あらかき・あらがき」と読む「新垣」さんのルーツは沖縄県にあるといってよい。
さて、一方の北条政子を演じる小池栄子。「小池」という名字は全国ランキング149位とメジャーな名字で、全国に広く分布している。そのルーツは文字通り「小さな池」で、各地にあった。もちろん、そうした地形に由来する地名も各地にある。
最も有名なのが、信濃国筑摩郡小池村(現在の長野県松本市)をルーツとする小池氏で、桓武平氏の一族という。初め武田氏に従い、のち徳川氏に仕えた。小池栄子は東京の出身だが、祖父は長野県でレジャーランドを経営して成功しており、もともとは長野県の出。
現在も、長野県を中心に東海・関東甲信越に多く、とくに長野県諏訪市から諏訪郡富士見町にかけての地域に集中している。その他、静岡県浜松市や埼玉県さいたま市、西日本では愛媛県松山市や佐賀県鹿島市にも多い。